Irish Music その5

Forget Me Not/Tripping Down the Stairs/The flowers of Red Hill(Reel)

★     Forget Me Not

“様々なタイトルで呼ばれている。この曲を初めて知ったのはDavey McNevin(banjo)

の演奏でキーはDだったが、多くの人がCで演奏するのを後々になって聴いた。タイトルもMartin RochfordやCrehan’s(僕はこれで知っていた)Larry Redigan’sなど。でもアイリッシュ・チューンではよくあること”

★     Tripping Down the Stairs

“Arcadyの演奏で聴いたものが最初だった。フィドラーがBrendan Larrisseyだということはまだ知らない頃だった。これはThe Green Hills of Tyrolというジグのリール版だと言われるがまさにその通りだ、と思う”

★     The Flowers of Red Hill

“De Dannanの初期のアルバムの中で(彼らのタイトルはThe Clogherだった)聴いたのが最初だろうか。それともBothy Bandが最初だったろうか。おそらく多くの人にはGerry O’connorのバンジョープレイが馴染み深いだろう。ほとんどのパートがAマイナーで解決できるが、それだけにギタリストにとっては、どのようにストーリーを作っていくかが大切になる曲だ”

 

Smiling Bride/The Handsome young Maidens(jig)

★     Smiling Bride

“Charlie Lennon作。題名どおり、にこにこしたくなる曲だ。

★     The Handsome Young Maidens

“これもCharlie Lennonの作品。この2曲は、ほぼ誰もがセットで演奏するものだろう”

 

The Eel in the Sink/McFadden’s Handsome Daughter/The Limerick Lasses(Reel)

★     The Eel in the Sink

“あまりポピュラーではない曲かもしれないが、Jody’s Heavenでの録音が残されている。その時に使ったアレンジ(Dm~Am)というのはとても気持ちのいい進行なので、僕らもこのアレンジでやっている。

★     McFadden’s Handsome Daughter

“3パートの綺麗な曲だ。これもとんでもない数の名前をつけられた曲だが、このタイトルで大体通じる”

★     The Limerick Lasses

“3パートで演奏される場合と4パートで演奏される場合がある。どちらがより一般的かということは難しい。僕は長い間4パートのほうで知っていたので、希花にはそちらのほうを教えたが、演奏者としてはこういう場合、どちらも知っておかなくてはいけない、というのが僕の考えだ。例え伴奏者でも”

 

Lord Gordon(Reel)

★     Lord Gordon

“5パートあるが、どこもかしこも似たり寄ったりで、つまらない曲だと最初は感じたが、長くこの音楽をやっていると、なんと美しい曲だろう、ということを感じてきた。おそらくメロディ楽器にとっては結構楽しめる曲かもしれないが、伴奏者には痛い曲だろう。事実、どういうコードを弾いたらいいのか分からない人がいっぱいいるだろう。しかし、メロディの美しさに気がつくと、これほどやりがいのある曲は他に類をみない。Michael Colemanの演奏が僕としては一番好きだが、彼がこんなに多くのバリエイションを創り出したらしい。

フィドラーにとっては永遠の名曲のひとつであろう。“

Dennis Doody’s/Tolka Polka/Tina Lech’s(Polka)

★     Dennis Doody’s

“Donal Lunnyのライブ・アルバムで覚えた曲。

★     Tolka Polka

“Donal Lunnyの作。普通に演奏しても結構トリッキーだが、彼らのバンドの演奏は更にひねっている。しかしそこがこの曲の特徴であり、かっこいいところなので、僕等は忠実に再現して演奏している。

★     Tina Lech’s

不思議なことにこのタイトルになっているTinaは友人から教わった、と言っている。彼女はボストンに住むフィドラーでヴェトナミーズの血をひいている。僕とデイナと彼女と3人で、ライス・パディという名前を付けて東海岸をツァーしたことがある。日本でもよく知られた曲で、希花も僕に会う前から演奏していたらしい。たまにGで演奏する人もいるようだ。因みに僕等はA。確かTinaはAでやっていたと思う”

 

Old Grey Goose(Jig)

★     Old Grey Goose

“Clareで毎日のように聴いていて、なんと美しい曲だろうと思ったものだ。こういうトラッドのなかのトラッドといえる曲はアイリッシュ・ミュージックをやる以上、必ず押さえておきたいものだ。Michael Colemanは6パートで演奏しているが3パートだけのバージョンもあるようだ”

 

Strayaway Child(Jig)

★     Strayaway Child

“Bothy bandの演奏で聴いてからずっと好きな曲だった。この曲との再会の話はコラムの2011年 アイルランドの旅~フィークル4~で既に書いた。Michael Gormanの作とも、Margaret Barryの作ともいわれているが本当のところはどうだろう。どちらにせよ彼らは夫婦だったようで、GormanのフィドルとMargaretのピアノでのデュオ録音が残されている。6パートの美しいジグだ”

 

An Paistin Fionn/Eamonn McGivney(hornpipe)

★     An Paistin Fionn

“同名のエアーも存在する。あまり聴くことがない曲だが、デュオを組んだ最初の頃からレパートリーとして取り入れている”

★     Eamonn MaGivney

“Keep Her Lit とJody’s Heavenでも手がけたJacky Tarとほとんど同じ曲だろう”