Irish Music その36

Pigeon on the Gate/Trim the Velvet (Reel)

★Pigeon on the Gate

“Kevin Burkeで聴いて以来、何故かこの音楽の代名詞的な曲だと感じてしまうくらい大好きな曲だ。この曲に関してはギターはあまり小細工せず、メロディーに忠実に伴奏したいと思ってしまう。何度も登場するが、東京のフィドラー“モハーさん”が久しぶりに見せてくれたKevin Burke とMicheal O’DomhnaillのOhio Universityでのライブは穴のあくほど見つめたもので、この曲から入る最初のセットで、もう胸が締め付けられ、身動きができなかったほどだ“

★  Trim the Velvet

“なんといってもMichael Colemanの演奏だろう。個人的に好きなのだが、決してスーパー・プレイではないし、どう聴いても上のCのノートは可哀そうなくらいに外れている。しかし彼のプレイを聴いてニュー・ヨークのアイルランド移民たちが涙を流したということがよく分かる。僕らでさえ涙なくしては聴けないものだ。希花にもずっと弾き続けてもらいたい曲のひとつだ”

 

Flatbush Waltz/The Shepherds Dream/Onga Bucharest  (Waltz/Reel)

★  Flatbush Waltz

“ブルーグラス・マンドリンの異端児Andy Statman作のいかにもユダヤ音楽らしいメロディだ。彼はクレズマー音楽の管楽器奏者でもあり、また、普通のブルーグラス・マンドリン奏者が使わない、ティアー・ドロップ型の丸穴タイプを使っていたが、その独特な音色と独特なリックは言葉で表すことが難しかった。マイナーの美しい抒情的なメロディをもった曲だ”

★  The Shepherds Dream/Onga Bucharest

“De DanannがJewish Reelとして演奏していたものだ。2曲セットなのでこのように表示したが、これもAndy Statmanの曲らしい。1987年のDe Danannの録音では正式なタイトルは記載されていなかったが、その演奏は凄まじいものだった。僕は1986年にアメリカで彼らの演奏を見ているが、その時にも既にレパートリーに入っていた最も印象深かった曲のひとつだ。マーチン・オコーナーのアコーディオンとフランキー・ギャビンのフィドルが強烈にすっ飛ばす。僕等は多分、2011年の10月くらいからこの曲をレパートリーに取り入れ出した。二つの楽器が絡む様をフィドルひとつで表現してくれ、というのは無謀ではあったが、見事に自身のレパートリーとして成り立っている。これにはメアリー・シャノンも、張本人であるフランキーも度肝を抜かれたようだ。You Tubeに初めて希花とフランキーをひき合わせた時にこの曲を演奏している画像がのっているが、フランキーも久しぶりなのに、強烈なハーモニーですっ飛ばしてくれた。この曲をフィドルだけで弾くのは希花くらいだろう。アイルランドでも他の人の演奏で聴いたことは無い”