Dale Russ Tom Creegan Junji Shirota
3人による関東での演奏が終わりました。下北沢ラ・カーニャ、越谷おーるどタイムに出向いていただいた皆さんに感謝いたします。
60年代、この目でみることが叶わなかったミュージシャンたちが来日すると、学校を休んでまでも並んで見に行った。聴きに行くというか、見に行くというか…。
70年代でもそうだった。刺激を受けたかった。自分の求める音楽を少しでも体に感じたかった。
今、海外からミュージシャンが来てもよほどコマーシャルに乗っていない限りなかなか集まってもらうのが難しい。
そういえば今、ポール・マッカートニーも来ているし、来週はサイモン・ラトルもやって来る。
デイルはやっぱり素晴らしいフィドラーだ。ジョディース・ヘブンで一緒に回っていたころを想い出す。
トムとはシアトルで一度会っただけで、一緒に演奏したことはない。だが、僕にとってはそんな経験は当り前のことだった。
二人はサファリング・ゲールで長いこと一緒にやっているので、そのサウンドに合わせていけばいい。そんな気持ちで挑んだ。
奇しくも横浜でフィドルを持ったひとりの男性が僕を呼びとめてこんなことを言ってくれた。
「まるで会話をしているようにギターを弾くんですね。こういう演奏を聴くのは初めてだった」
それこそが僕の求めるアイリッシュ・ミュージックに於けるギターの当然の役割である。
初めて一緒に演奏するトムの紡ぎ出す音の一つ一つ、体から生まれるリズムを感じながらどんなコード、どんなビートで彼の世界を共に表現するか、そして時として聴こえない音を創り出す、時として勝負を挑む。デイルとトムとの音楽による会話、というものが少しだけでも出来たことが、今回僕にとって嬉しい事だった。
ラ・カーニャの岩ちゃん、それからおーるどタイムの椋野さん、企画をしてくれた高橋さん御夫妻、ありがとう。