ちょっと一休みして食べ物の話

食べるもので、基本的に好き嫌いは無い。よっぽどの“ゲテモノ”か、そこまでいかなくても生の肉とかは嫌だが。魚醤も少しなら入っていても大丈夫。フォアグラは食べない。馬刺しには手を出さない。生ハムにも手が出ない…してみると結構食べないものもあるなぁ。  

家では子供のころから、白米には必ず麦が入っていたし、週の半分くらいは玄米だった。それでは聴いてください「麦と兵隊」(何それ、という冷ややかな声)

なので、今も玄米は大好きだ。野菜も何でも食べる。基本的に歯が丈夫なせいか、なんでも美味しく食べることが出来るのは本当に有難いことだ。

大学の時は合宿中に(産大ブルーリッジ・マウンテン・ボーイズ)朝からお茶碗10杯のごはんを食べた記憶がある。

よく食べたほうかもしれないが、若いときには誰でも結構食べることができただろう。とに角、何を出されても失礼の無いように少々味の合わないものでも食べることが出来た。

今でもそうだが、いかんせん、量は減った。当たり前のことかもしれないが、打ち上げでせっかく美味しいものを出してもらっても「あ~、あと35歳若かったらなぁ」と思うことがよくある。

人間は食べずに生きていくことが出来たらどんなに楽だろう、と思うことがよくあった。そうすればトイレも必要無いし…てなことを真剣に考えたこともあったが、親せきや友人が集まったら「何食べよう」ということはとても大事なことなので、やっぱり人間の最大級の欲求であり、楽しみなことなのだろう。

書くほどのことではないくらいに当たり前田のクラッカーだ。(再び何それ、と冷やかな声)

料理の世界も少しは経験した。生魚ってあんまり好きではなかったが、寿司シェフもやった。

そんな僕なので、アメリカ人は基本的に生魚なんて好きではないはずだ、ということがよく分かる。「今日は暑いから素麺。今日は寒いから鍋にしよう」おせち料理から始まり、七草粥を食べたり、季節や催事ごとでそれぞれ工夫を凝らした食べ物を食べるのが日本人。

「おい、今日は暑いからホットドッグとビールだ。今日は寒いからホットドッグとビールだ」というアメリカ人とはわけが違う。

どこで覚えたのか鯛もヒラメも「薄じゅく~り」なんて言い、果てはマグロまで「薄じゅく~り」なんていう人たちだ。

「ケッパ巻き。海苔抜き」「うなぎ、皮抜き」なんじゃそりゃ。

きっと生魚は彼らの味覚の中にはないはずだ。僕らでもホットドッグやハンバーガーが1週間、朝、昼、晩と続くとワンとかモーとか、いや犬ではないか。

結婚式のギグで、どんなに素晴らしいケータリングが来ていても、結局家に帰ればお茶漬けを食べてしまう。

料理が素晴らしければ素晴らしいほど…。

そんな風に、歳と共に日本人としてのベーシックな食べ物をよく食べるようになってきた。漬物や味噌汁、魚も刺身でも、焼いても、そして煮ても。若いときは絶対にすき焼きだったが、今は水炊きのほうがいい。

それでも、まだ相変わらず結構な頻度で食べられるものもある。あんどーなつやビーフシチュー、正月の伊達巻。あーもう終わってしまった。

おせちには、栗きんとんと伊達巻だけあればいい。毎日が正月だったら伊達巻が毎日食べられる。

なんだか言いたいことがなんなのか自分でもわからなくなってきたが、とに角好き嫌いを言うのは良くない、ということ、なんでも美味しいと思っていただきましょうということ、それから、少々無理しても出されたものは有難く平らげるくらいの強靭な精神力と胃袋を持ちましょう、ということです。

皆さんもLDLコレステロールには十分気を付けながら、楽しい食生活を送ってください。なんかまた伊達巻が食べたくなってきた。子供の頃は「イタチマキ」だと思っていたけど…。