2015年 アイルランドの旅 11

7月6日、今晩のメインイベントは教会でのコンサートだ。これも2012年から僕らは出演しているが、トータルで6年目ということなので、ほぼ準レギュラーとも言えるだろうか。

僕らもここで数多くのトラッド・ミュージシャンを聴いて来た。一緒に演奏もしてきた。

それはパブでのセッションとは全く違うかたちだ。

今日は1部を若手の3人。パイプとアコーディオンとハープだ。さすがに、ここに出演する人達は本物のトラッド・ミュージシャン。

楽曲の説明に関しても、演奏に関しても筋が通っている。

こんな若者達が国中あちらこちらにいて、みんなが古い録音に耳を傾け、歴史をきちんと学び、真面目に取り組んでいるのだ。

そんな音楽を勘違いイベントにしてはいけない、と心から思う。それは決して安物のこだわりではない。

こういうところで彼らのようなミュージシャンの演奏に触れ、なおかつ世界中のいたるところから来ている人達にこの音楽を紹介するには、それ相当の覚悟が必要になってくる。

僕らが演奏した曲目は、Fear A’ Bhata / Two Days To Go / Once In A Blue Moose これらは1曲目がスコットランドの古い美しい歌。作者は…これがなかなか読めないのだが、Sine NicFhionnlaigh(Jean Finlayson)19世紀の終わり頃のもの。訳すとボート・マン。何故僕が英語に訳しているんだろう、言って笑いを誘う。そのまま続けたのはDiarmaid Moynihanの曲からNiall Vallelyの曲だと説明を加える。

そして、Kitty O’Neill’s Champion Jig これは別名Kitty O’Sheaと言って…これから先は僕がアイリッシュ・ミュージックその91で書いた説明をする。

その後は日本の古い歌と言って「外山節」でクロス・カルチャーを楽しんでもらう。

アメリカから来ている人も数多くいて(昨夜は20人ほどもいただろうか)次はDry And Dusty / Indian Ate The Woodchuckでオールド・タイミー、Foggy Mt. Breakdownでブルーグラス。

コンサーティナでAnna Foxe医学部の学生時代に手に入れて忙しすぎて全然練習する暇がなく、またいつものホスト、コーマック・ベグリーがいたらなかなか弾こうとは思わないけど、今日はいないから弾いちゃいます、と言ってまた笑いを取る。

最後はThrough The Wood /Mamma’s Petで静かに終わる。そしておなじみ、Emma Sullivanによるダンスの伴奏でTrip to Durrowを。

彼女も言っていた。ダンサーズはしっかりと曲を覚えないといけない、と。やっぱり軽い気持ちでは取り組めない音楽だ。

このTune In The Churchに出演するためにはこれからも研究を怠ってはいけないようだ。