6月最後の日は1日雨。用事でリムリックとエニスに出かけたが、ほとんど雨の中だった。
7月に入って、朝よく晴れていたが、10時近くになってきたらまた雨が降っている。でもどうせすぐまた止むかもしれない。ありゃ、大雨が降ってきた。あ、急にサンサンと陽が輝いてきた。
天気図も晴れと雨と曇りが一応全部書いてあるし、必ず当たる様に出来ている。アイルランドで天気のことや一年先のことを言うのはナンセンスだ。一寸先は闇か天国か…。
そう思ったら、確かに少なくとも1日の終わりにはギネスでも飲んで、友と語らいに興じたほうが幸せだ。
う〜ん、段々分かってきたぞ。
そういえば面白いことがあった。
「郵便局が閉まる前に行かなくちゃ」と言って振り向いて壁にかかっている時計を見たキアラン君。
だが、その時計、僕たちがここに来た時から止まったままだ。いつから止まっているのかわからないが、時々見ている。
なにか違いがあるのだろうか。謎多きアイルランド人。
因みに今は晴れているので、ミルタウン・マルベイに行く前にまた三人で庭の手入れをする予定になっているが、またいつ降り出すか分からない。
記憶によると、アイルランドの雨は前兆もなにもないことがよくある。
案の定、降ったり止んだりの中で数回にわたって「ティー・タイム」を設けて一応全部済ませた。
これで安心してミルタウンに行ける。
そしてその晩、キアランは地元のミュージシャンたちとのセッション、僕らはホテルでの演奏のギグに出かけた。
この辺で最もファンシーで有名なホテルで、ウィークエンドには必ず結婚パーティが開かれて、レストランもパブも相当賑わうらしいが、今日は比較的静かだった。かえってそのほうがやりやすい。
僕らはそこで2時間ほど演奏して12時頃戻って来た。
やがてセッションを終えたキアランが数人の友達を連れて帰ってきた。見れば普通のおっさんや若者だが、みんなティン・ホイスル、コンサルティナ、バンジョーなど、それこそ普通に演奏する。
そして飲みまくって演奏しまくって帰って行ったのが3時半過ぎ。
明後日にはミルタウン・マルベイに行かなければいけないのに。早起きして用意しようと思っていたのに…と思いながら眠りについた。
外はもう明るかった。