2018年春 アイルランドの旅 13

今日からまた寒の戻りで少し寒くなるそうだ。

今日はセント・パトリックス・デイ。大イベントの一日。

数日前から用意してあるデコレーションなどをトラックに乗せてのパレードに参加して、パブで演奏して、飲んで一日が終わる。

数日前と言ったが、これはほとんどのアイルランド人がそうかもしれないけど、数日前まではのらりくらりしていて、直前になってバタバタとして完成させる、という僕のように用意周到の人間には考えられない行動をとる。

どんなに急いでいようが、お茶を飲んで、あるいは一杯やりながら人と話をすることの方が大事なようだ。

「それじゃぁね」と言ってから、ドアを出るまでの長いこと、長いこと。これ、ほとんどすべてのアイルランド人がそうだ。

とにかく僕らも手伝って、街を練り歩くためのローリー(トラック)のデコレーションは済んだがめちゃくちゃ寒かった。少し寒くなると聞いたが、とんでもない。途中でみぞれが降ってきたくらいだ。

しかし、こういうことには慣れている連中だ。みぞれまじりの中、工事屋のようにすんなりこなしていく。

そして僕らも出来上がったデコレーション・ローリーに乗って子供達の演奏を聴きながら街を行進する。その恥ずかしいこと。

沿道には誰一人として東洋人はいない。

ただ一人見かけたのが、街に一軒だけあるチャイニーズ・レストランの子供。窓から覗いていた。

そしてパブで演奏。

みんながおごってくれるギネスは全部飲みきれない。

もうヘロヘロになってキアラン宅に帰る。まだ早い。8時前だ。本当なら今頃みんなパブだが、ミュージシャンとしては朝からもうすでに疲れ切っているので、静かな場所でゆっくり時を過ごしたいのだ。