初ブルーグラス

僕にとっての初ブルーグラス体験は世の中が東京オリンピックで盛り上がる少し前のことだったと思う。

前にも書いたかもしれないが、家で購入したステレオに付いてきた見本のLPレコード「Bluegrass is Oldies but Goodies」とかいうタイトルでFoggy Mt.BDがA面のトップに入っており、B面のトップがスタンレー・ブラザースの「Maple on the Hill」だった(ような気がする)

さて、そのなんだかわからないけど、えらく速く弾いている(らしい)楽器の音に度胆を抜かれたわけだが、最近BOMの渡辺三郎くんとメールで久々にやり取りした。

1949年12月11日のこの録音がほとんど正確にG#である、と言うことについてだが、当時、本当にチューンアップしていたのか、録音したものを半音上げたのか、その辺を彼に訊ねてみたのだ。

すると、とても詳しい記述(記事)を送ってくれた。これに関してはひょっとすると彼も面白いと感じてくれて記事にするかも…と言っていたので、ここで詳しく説明することは避けておこう。

ただ、僕の単純な疑問として、アイリッシュではよく、半上げ(E♭)で演奏されることがあるが、特にセッションなどでそうすると下手な奴は入ってこれないし、うるさいパブではその方が音に張りが出ていい、ということなのだ。

そのためアコーディオン、フルート、コンサーティナなどはもともと半音高いものを持って行ったりする。

そう言う感じかな、と思ってのことだが、ブルーグラスでフラットマンドリンを半音上げるのは寿命が縮まる思いがするだろう(余談)

究極の話として、彼らはシンガーであるギタリストがケースから出した時の音に合わせているみたいだ。

なので440Hz~445Hz、たまには450Hzくらいまでのことがありそう。因みにジェリー・ダグラス曰く、アールのバンジョーは448Hzだったそうだ。

友人がチーフタンズの調律をした時は445Hz位だったそうだ。本当かよ!と思ったそうだが大体、古楽は高めだそうだ。

1949年にもチューニング・メーターなんて無かったんだろうし、その日の気分というのが随分あったのだろう。

そう言えばカーターファミリーが日本に来た時、やたらと大きなチューニング・メーターを持ってきてジョー・カーターがそれでオートハープをチューニングしていた。

あんなものを持ってこなくたって良かっただろうに、やっぱりずっとそれでやってきているのだろう。

あの頃、僕らは音叉を使っていたのだろうか?

寒い冬の夜にそんなことを考えてしまった。