マーチンギター

先日、友人の一人がマーチンギターを手に入れたく、いろいろ見ていたらネットでこんなのがありました!と連絡してきた。

元を正せば、僕が彼に「何かマーチンギターのいい物」と言って勧めていたのだが。

なので、僕も色々探していたけど、やはり「これ!」というものはかなり高額だ。

ギターにせよなんにせよ、いかに安くていいものを見つける、というのは大きなポイントだ。

特にこのご時世。

友人が見つけてきたのは000モデルだった。ここに詳しく書くことは避けておくが、僕もこのタイプは大好きだ。

大体、マーチンギターというのは、特にフォークやブルーグラスを演奏する者にはステイタスのひとつでもある…と勝手に思っている。

僕が初めて手に入れたマーチンギターは1970年製のD-28だった。72年頃の話だ。

それから1934年製の0-18を手に入れ、ずっとそれを使ってきた。

後年になって比較的新しい000-28確か73年製くらい、同じく70年代の000-18、それと年代は忘れたけど00-18、やはり年代は忘れたけど00-16のガット、そして55年製のD-18など、この50年近くの間にいろいろなマーチンギターを見たり購入したりしてきた。

カリフォルニアの小さな店で1947年製の000-28という出物があったが、ネックが厚すぎて気に入るものではなかった。

その辺りは僕にとって音よりも大切な部分でもある。

さて、今回はその友人が言っていたものを別件で楽器屋さんに行ったついでに少しだけ見てきた。

比較的新しいもので「可もなく不可もなく」という状態。もう少し音が出て来るには後10年くらいかかりそう。

友人もあるていど歳なのでギターが鳴り始めるよりも前にあの世へいくかもしれない。

などなど考えていたら、すぐ横に77年のDタイプがあった、

少し弾かせてもらったら、やはりその方が良い。音に艶がある感じがする。

友人は000を欲しかったのだが、本当に良く鳴る000は最低でも100万前後の値段がする。

勿論、他のタイプもそうだが、幸い今の僕にはあまり興味が無い。

今迄にみたマーチンギターで度胆を抜かれたのは、アラン・セノーキーが持っていた、年代は忘れたけどD-18だった。激鳴りというのはこれか!と自分の内蔵にズドーンと来る衝撃に驚いたものだ。40年代の物だったかなぁ。

それとジャネット・カーターが「APカーターが時々弾いていたギター」だと言ってクローゼットから出してきた…あれは000だったかOMだったか、少し弾いてみただけであまりの素晴らしさによく見ることも出来なかった、という物。

その二つは印象的だ。

楽器をあれやこれや見てみるのは面白い。

基本、自分が「これ欲しいな」と思うものでないと他人には勧められないのでネットだけで判断するわけにもいかず、足を運んで実物を見る。

そうすると意外と面白い出会いがあったりするものだ。楽器とも人とも。