アイルランドの旅から振り返る10年  #9

またまた2018年。今度は夏。

この年は初めて香港経由のフライト。降り立った空港はなんかアジアの香りがした。

「優の良品」なんて書いたお店があった。なんか無印っぽいお店。

この年はなんと、キアラン君の住む小さな町、バグナルスタウンでレンスター・フラーがあるという。そこそこ大きなイベントだ。

それよりも(と云えるかどうか分からないけど)僕らにとっての大きなイベントは、友人から生まれたばかりの子猫をもらう事だった。友人から生まれたわけではない。日本語は難しい。友人から、と、生まれた、の間に「、」があればいいのか…。

あ、生まれたばかりの子猫を友人から…と言うのが正しいのか。

まぁとに角、真っ白な小さな子猫が、雄と雌の二匹。アイルランドらしくワインの箱に入って届けられた。

おこめとこむぎ、と名付けることにした。Paddy& Brigitteとかいうよりいいだろう。

フラーではまたまたギターのワークショップを担当した。

いろんなレベルの子、そして幼いころからアイルランド音楽に慣れ親しんでいる子…当たり前か。

しかし、かなりのレベルのパイパーやバンジョー弾きも居たが、やっぱりギターは別物かもしれない。何故こうなるか、という理屈抜きのセンスと云うものがいかに大切で難しいことかがよく分かる。後は和声の知識と感覚か。

この年、アイルランドでは7月15日になんと28日ぶりの雨が降った。地球規模の天変地異だ。

岐阜県の多治見の気温が世界第3位だったらしく、とうとうドバイを抜いたらしい。こりゃたまげた。

7月20日からチェコのプラハに出掛けた。希花さんはウイーンの友人に会いに行った。

8月8日に希花さん、初めてモハーの断崖に立つ。真っ青な空と冷たい風。絶好の観光日和だった。

そしてフィークルでは初対面のトニー・オコネルとのセッション・ホスト。彼とはとても良く演奏が絡み合い、後に彼の家にまで出かけていくことになる。

フィークルで11日にシェーマス・ベグリーに捕まって長いセッションが始まった。彼の大好きな「上を向いて歩こう」を演奏し出した時は既に12日。偶然にも1985年の、あの大事故の日だった。

この年初めてノエル・ヒルに連れて行ってもらった、カウンティ・ダウンのストラングフォードという街は生涯を通じて最も美しい景色の処だったと云える。

そしてこの年はベルギーにも出かけて行ったんだなぁ。

初めてマカフェリのギターを弾いた。その音のアイリッシュに向かない事と言ったら、何というか、箸でスパゲティを食べる感じ。スプーンで味噌汁を飲む感じ。

訳わかめ!意味ふみこ!

今回も、コークやブロスナなどを含め、様々な場所に出掛けて行っては良いミュージシャンたちといっぱい演奏ができたし、忙しい年だった。猫もすくすくと成長していった、

僕も成長できただろうか…。