2022年 アイルランドの旅 17 ゴールウェイに戻る

さて、最終日。と言うか今朝はこれからゴールウエイに戻ることになっている。天気も良さそう。

仕事に出かけるキアラン君に駅まで乗せてもらって7時45分発のダブリン行きの電車に乗る。

すぐ隣の4人掛けの席には高校生か大学に今度入るくらいの男の子が4人座っている。どこから乗ってきているのか、やたらと純朴そうな少年たち。

あちらの方で誰かが大声で電話をかけている。子供が騒いでいる。

4人はお互いに笑いながら参ったなぁ、と言う顔をしているが、本当に良い子たちなのか、嫌そうな顔をしない。でもきっと早起きしてきたんだろうな。眠たそうにはしている。

バグナルスタウンを出てから40分ほどしてからかな。電車が止まったまま一向に動く気配がない。やがて車掌が来て、メディカルイマージェンシーだと言う。

誰か倒れたらしい。

もうすでに救急車が到着しているが、ここでタラタラしているのはいかにもアイルランド。

つい先日も長蛇の列ができている1車線の通りの先のど真ん中に救急車が止まっていた。

希花さん曰く「ここで処置するんだったら車を動かせ。そうでなければとっとと病院に行け」確かに中で何かしているみたいけど、後方には20台ほどの車が連なっている。それを気にも止めないのがアイルランド人。まさか世間話?

普段待つ事をあまり気にしないアイルランド 人も、この時は流石に何人かは車を降りて、一体どうなっているんだ、と言う表情を見せていた。

それはさておき、僕らの乗った電車はかなり遅れてダブリンに着いた。

次の乗り換えには、時間通りに着けば25分あったがこれは渋い。隣の少年たちに「ゴールウエイに行くのか?」と聞いたら「そう」と言うので「間に合うのかな?」

と言ったら笑いながら「さぁ?」と言っていた。

電車はかなり微妙な時間、次の電車まで1分と言うところでダブリン駅に着いた。

僕が「走ったら間に合うかも」と言うと希花さんが「待っているはずだから大丈夫」と言う。

少年たちも4人で談笑しながら後ろを歩いてきた。

同じホームの向かい側、かなり向こうの方にゴールウエイ行きの電車が見える。向かっているとベルが鳴った。

あれ、動いているけど…あ、通り過ぎたけど…あれ~…?

少年たち、ニコニコしながら去ってゆく電車を見ている。

「あれだった?」「うん。あれだったみたいね」あっけにとられている僕らと少年たちの落ち着いた様子は正に日本人とアイルランド 人の違いか?

2時間後にまたあるから飯でも食べに行く、と少年たちは駅を出て行った。

時間通りにことが進む、なんて言うことは珍しいこの国で、よりによってこんな時に限って時間通りって一体どう言うことよ!

そんなこんなで色々あったが無事2時間ほど遅れてゴールウエイに着いた。

まぁ、何とかなるんだろうけど、それにしてもあの、乗るはずだった電車が目前を去っていく光景は忘れがたい。

乗るはずだった電車を苦笑いで見送る少年たちの姿もなかなかに忘れ難い。