2022年 アイルランドの旅 19

今回は少し音楽のことでも書いてみようかな。

先日、ある曲をマナス・マグワイアーと一緒に演奏していて、Bパートの途中1小節だけ僕の知っているバージョンとは違っていた。

ほとんどの人は僕の知っているバージョンで演奏するので初めて聴いたパターンだな、と思いつつも、大ベテランだし、それでずっとやってきているのだろうし、

このバージョンも探せば出てくるか、と思い、魔の検索が始まった。

まずこの曲「Miss Thornton」を検索する。

最初に出てくるのが僕の知るバージョン。2つ目もそう。3つ目。あ、あった。因みに4つ目以降はまた僕の知っているバージョン。

してみるとこのバージョンはマナスの録音だけか?

そこで100ほどの録音物の中から聴けるものをかたっぱしから聴く。

そこで見つけたのがJames Morrisonの1921~1936に録音されたもの。

少しのバリエーションも非常に近いものがある。

また、以前のコラムの中でTom morrisonに関するこの曲の解説を書いた事があった。

1928年の彼の録音では、Ballinasloe Fair とこの曲をRoscommon Reelとして録音している、と書いてあった。

 こうして調べ上げていくことは、オールド楽器の出処を調べるのと同じように面白い。

発見した時の喜びに加え、例え一つの曲でも様々な観点から知ることができるいい機会になるからだ。