2022年 アイルランドの旅 20

9月4日、日曜日、今日も涼しくていい天気だ。

夕方、ブライアン・マグラーから連絡があり、ギタリストを探しているけど空いているか?ということだった。

時間は夜の9時から。

場所はすぐ近く、歩いて5分ほどのチ・コリ。

フィドラーにミック・ニーリー。フランキーと分裂した後のディ・ダナンで弾いていた人で希花さんと同じ職場の人物。

ちょうどアメリカからダーシー・ヌーナンというフィドラーが来ていたが、彼女はサンフランシスコ、いや、オークランドかな。

とにかくジャック・ギルダー等と一緒に演奏することも多い、と聞いた。

なぜか僕もかなり前から名前だけは聞いていたかも知れないが、会うのは初めてだった。

後もう1人。カウンターで飲んではちょっとだけ座って、どえらい大きな声で話すおばさん。

時々コンサーティナを出してスライドなどを勢いよく弾く。知らない曲だと弾かないので全然邪魔にはならないが、

一旦弾きだすと声と同じく大きな音で勢いに乗る。そしてまた飲みに戻る。ケリーから来ているのかな、と思わせる勢いだ。

パブはこの上なくうるさかったが、多くの人が周りに集まって聴いていた。

その中で1人、若い東洋系の男の子がガールフレンドらしき(こちらはみるからにアイルランド人)女性と飲みに来ていて、僕はその見かけから絶対ハワイから来ているサーフィン関係の男の子かな?と思っていた。

演奏が終わり、外へ出ると彼らが話しかけてきた。

彼は純粋な日本人(神奈川県人)だった。彼女の方も流暢な日本語を話す人だったが、これから2人でダブリンに住んで仕事を始めるので、その前に少しの間ゴールウエイに遊びに行こう、と考えたらしい。

そうして僕らと出会ったのでなんだか嬉しくなって話しかけてきた、ということだった。

とても感じのいいカップルで、これからの生活も上手くいくことを祈っている。

そんな彼らと別れた後、ポツリポツリと雨が空から降ってきた。いや、小室等ではない。

この曲を聴いて「当たり前だろう。雨は空から降るんだ」と言っていたこともあったなぁ…。

夜中には一転して激しい雨音が響いていたが、パブの喧騒からは解放されて深い眠りに落ちた。