Mareka&Junji 大泉生活文化研究所 スペース結 11月3日(日)

天気予報は雨。でも、ちっとも降りだす気配はない。僕等は大宮で古川さん、村松さんと合流。

一路大泉へ。この人達も、たけちゃんのように美味しいものの在り家をよく知っている。大泉の久保田さんのところに着く前に、ハンバーガーを食べましょう、と久保田さんの家の近所のお店に寄った。

店はブラジルの人の経営で、お客さんもブラジルの人が多い。メニューもポルトガル語と日本語の両方で書かれている。

久保田さんに電話でお店に寄った事とお店の名前を伝えると「あー、ブラジルの人のお店ですね」と、すぐ分かったようだ。

ここら辺では評判のお店らしく、量も多く、安くて美味しい。さすが、古川、村松コンビ。時を経てますます冴えている。

だが、ハンバーガーを食べに大泉に来たわけではない。

今日は一応CD発売記念のライブという名目だ。

入口には久保田さんのお孫さんの“ゆうなちゃん”の描いてくれた可愛らしいポスターが貼ってあった。会場内の地図も彼女の作品だ。

例によって美味しいコーヒーと和三盆をいただいて一休み。

18時、時間どおりに第一部をスタート。この頃ずっとやっているビートルズの名曲のさわりからThe RamblerのJig setに。“この想い”Coilsfield House,そしてバンジョーに持ち替えてClinch Mt.Back Stepから今日は“外山節”でオールドタイムと日本民謡を並べ、そこから“おわいやれ”Bretonという並びでやってみた。ラストはAnna Foxでコンサルティーナを聴いてもらう。

第二部は“小さい秋みつけた”をみんなで唄って、ちょっとオキャロランからFoggy、そして最近ずっと唄っているTime in a BottleからMartin Wynne/10LB Floatのセット、そしてCDからShe’s Sweetest…その後でハープと共に“悲しくてやりきれない”を少しだけみんなで唄い、そのままThe Banks of the Suir 最後は久々に長いセットを持ってきた。

終わってから高見さんが「なんというセットでしたっけ?」と訊いてきたのでここに書いておくことにしよう。

Dowd’s Favorites/Christmas Eve/Willie Coleman/Rolling Barmaid考えたら、まだ僕のコラムのIrish Musicの項目には載せていないかもしれない。

段々分からなくなってきたので、高見さんのヘルプが必要かもしれない。

なにはともあれ、アンコールでつい口を滑らせて「リクエストは?」などと言ってしまったものだから「初恋!」なんて声が上がってしまった。

そこで急遽“初恋”Sally Gardensを。

最後はJunior Crehan’s/Calliope Houseのセットで無事終了。

多くの皆さんにCDを買っていただき、感謝しております。

久保田さんとご家族の皆さんには、始まるずっと前から用意をしていただき、そして終わってからも鍋をごちそうになって、ほんとうにいつもいつも感謝です。

思えば、2011年の3月26日、初めて来させていただいてから今回で5回目。いつも無理を言って申し訳ないと思いながら、久保田さんの笑顔についつい甘えてしまっています。

そして今日も多くの人が来てくれました。お顔をよく知っている人達のお名前を挙げたらきりがありません。

申し訳ありませんがみなさんということにさせていただいて、感謝いたします。

希花さん、しばし勉学に励みます。普通の頑張り屋でないだけに、その一途な姿を見るのも素晴らしいものがあります。

東京への帰りも村松さんの車の中でずっとスマホと睨めっこ。今時はスマホでも勉強が出来るのですね。時代は常に先へ先へと進んでいます。

僕もらくらくホンだけど、頑張らにゃ、と言ったら「その携帯では無理ですよ」と一言。

いや、人生頑張らにゃ、という意味です。

村松さん、古川さんありがとうございました。

久保田さん、ご家族の皆さん、ありがとうございました。

Mareka&Junji おーるどタイム ライブ

2つの台風の間をぬって、またまた晴れ男全開でした。到着すると高橋さんと北向さんのおふたりがにこやかにお出迎えしてくれました。

「なんとかもちそうですね~」と全員で空を見上げ、会場である「おーるどタイム」へ。

お店ではオーナーの椋野さん御夫妻が満面の笑みでお出迎えしてくれて、もうこの人たちの笑顔だけで充分満足です。

お腹もすいたことだし、早速 特製ドライカレーをいただいて、音チェック。特に問題もないので、珈琲をいただいて、それから高橋さんとプラモデルの話しになると「すぐそこの模型屋さんに行ってみますか?」と切り出され、二つ返事でついて行った。

そしていろんな模型の中からゼロ戦を購入。やっぱり昔の飛行機は美しい。出来上がったら中川イサト氏にも見せなくちゃ。

さて、お店にも、いつものお顔や本当にお久しぶりの人、そして嬉しい事に無理やり連れてこられた新しい人、沢山集まっていただきました。

基本的には最近のセットで進行。但し少しずつ違う曲も加えてみた。Eel in the Sinkのセットは久しぶり。

このセットの3曲目Limerick Lassesは2つの異なったバージョンが存在するので、セッションでこの曲が登場すると、どちらのバージョンを弾こうとしているのか、耳を澄まして注意深く聴かなければいけない。

“おわいやれ”の後はいつもと違って、別のブレットンの曲(Kornogの演奏で覚えた)からスリップ・ジグ、そして希花さんならではのテクニカルなSkidoo。この曲をF#mで弾くのは僕の知る限りTipsy HouseのKevin Bernhagenと希花だけだ。

だれもがそう容易に弾けるものではない。

2部ではオーナーの椋野さんと一緒にフォギー・マウンテン・ブレークダウン。いかにもブルーグラス・フィドラーだ。いい感じで弾く。

本当はもっと違う曲の方が彼にとっては良かったかもしれないので、この次にはまたよろしくお願いします。

バンジョーは高橋さんの素晴らしいアーチ・トップを借りた。

そして、これまた希花さんでないと、ここまで弾くことはできないだろう、という曲、Jewish Reelで終了。実際にはShepherds Dream/Onga Bucharestiという2曲のメドレーだ。

岡本太郎じゃないけど「芸術は爆発だ」かな。音楽が全て芸術だとは思わないし、音楽家が必ずしも芸術家であるとも思わないが、爆発であることは事実だ。

全て終えてからセッションに突入。

高橋さん、北向さんのハンマーダルシマーを中心に、久しぶりにノエルちゃんもフィドで参加。

みんなで40分ほどかな、セッションに興じた。

高橋さんはハンマーダルシマーなる稀有な楽器を弾いてもう何年くらいになるのだろうか。この人、いかにも他の人と一味違うなにか特殊なものが好きみたいだ。奥さんをみてもそう思う。なかなかいないタイプでどこまでも頼もしいし、楽しい人だ。

希花さんのお勉強が忙しくなってきたので、今日は早々引き揚げさせていただいたが、是非また来たいものだ。そしてとことんセッションもしたいものだ。

みなさん、どうも有難うございました。

しまった。またお店のスウィーツ、オーダーするの忘れた。でも今回は高見さんがみんなの分おまんじゅうを用意してくれたので、また次回。

椋野さん、今度はフィドル・チューンやりましょう。

Mareka & Junji CD launch 風に吹かれて

前日までの暑さも少し和らいで、申し分ない天気となりました。しかし、10月ももう半ばにさしかかっているというのに、30度を大幅に上回るなんて、7年後の真夏のオリンピックでは40度を超えて熱中症が続出するのではないか、と心配です。マラソンも室内にしたらいいのではないか。1000メートルを42周?100メートルを420周というのもいいかも…てなわけないだろう。

そんな事はさておき、僕等は先ずビートルズの名曲をあたまにひっつけたThe Ramblerのライブ・バージョン・セットでスタート。

なんといっても今回のCDのタイトル曲だ。続いて「この想い」そしてCoilsfield House そして、久しぶりにLeaving Brittany/George Peoplesのセット。CDから「おわいやれ」録音では希花さんの必殺コーラスが入るが、ライブではハープに専念する。そしてCDと同じBreton Gavotte。一部の最後にAnna Foxでコンサルティーナの音色を聴いていただいた。

今回の録音でも3曲に使用したコンサルティーナ。次回はもっと沢山弾いてもらうことになるかも。

2部はバンジョーとハープによる意外な曲でスタート。そろそろこんな季節がやってくるだろう、という思いを込めて。

そして、今度は希花さんがコンサルティーナに持ち替えて、バンジョーと共にオキャロランのSquire Parson’s。 とっても好きなクラシカル・フィーリング溢れる名曲だ。

そして、言わずと知れたFoggy Mountain Break Down。それからCDで面白い音色が聴けるClinch Mountain Back Step。これはTrain45をイントロに使っているが、Clinch…とクレジットさせていただいた。

それからJim Croceの名曲。続いてMartin Wynne’s/10LB Floatの悲しいセット。

最後から2曲目にFusco/She’s Sweetest When She’s Nakedを。そして、ラスト曲はCDと同じThe Banks of The Suir。とことん美しいメロディだ。こんなに美しい曲はまだまだ沢山ある。

僕等は力強い曲も、限りなく美しい曲も大好きだ。ブレンダン・ベグリーの大西洋に浮かぶボートを想い出し、アンドリュー・マクナマラの生まれ育った部屋を想い出し、それらを囲んでいる雄大な景色に想いを馳せる。

そして、今日集まってくれた全ての人達に感謝。オーナーの金谷さん、息子さんのしんご君、ばくざんさん、お休みの日に働いてくれて有難う。

アンコール(半ば強制的)にUp Sligo/Golden Stud/Morning Dew/Jenny’s Chickenで終了。みなさん本当にありがとうございました。

Mareka&Junji in三島

9月28日、土曜日、天気は上々。数日前からやっと秋らしくなってきて、今日あたりは富士山も、その雄大な姿を見せてくれるに違いない。

恒例のアルマジロ君の主催してくれる今回のコンサートでは、地元のアイリッシュ・パブ“ギグル”のメンバー、そして、僕が高校時代に一緒にフォークソングを歌っていた“はまちゃん”こと濱野君もオープニング・アクトを務めてくれる。

それにたけちゃん、高見さん、北向さん、谷口さん夫妻、綿貫さん、村松さん、古川さんがずいぶん遠くからきてくれるし、静岡でコンサートを主催してくれた岩堀さんもかけつけてくれるようだ。

たけちゃんは僕等の“ファンの集い”を立ち上げてくれて、これからもいろいろヘルプしてくれるようだし、アルマジロ君とも初めて対面する。

まず、三島でたけちゃんと合流してから食事をして、すっかり彼等は意気投合してくれたようだ。

たけちゃんの満面の笑みはみんなを幸せにしてくれる。

この日の始まりは6時半。まず、アルマジロがマジシャンのような格好(いえ、本人は、ジョン・ハートフォードのつもりだろう)をして登場。司会のついでに一曲。いや、一曲のついでに司会か…。

そしてギグルのオーナー、村松君牽いる5人のメンバーのご機嫌なアイリッシュ・チューンからスタート。

そして“はまちゃん”の渋いフォーク・ブルース。はまちゃんとは一緒に“テネシー・ワルツをやって、それから僕等とバトンタッチしてもらった。

音響はいつもの櫻井君。ギター製作家としても優れた腕を持つ人で、彼の造るヴォイジャーギターは、次回の大阪でのサウンドメッセにも出品すると言う事なので要チェックだ。

僕等はHector the Heroから、ニュー・アルバムThe Ramblerのトップ曲The Ramblerのセットでスタート。

季節もちょうど良いので、小さい秋みつけた、なんかもチョロっとバンジョーで。久々にMischief Annealもやり、ニュー・アルバムからShe’s Sweetest When She’s Nakedそして“おわいやれ”など、全12曲ほどを聴いていただいた。

僕等としては、とっても喜んでもらえたと思うけど、それもこれもアルマジロ君の、そして彼を支えてくれているスタッフたちのおかげだ。

村松さん、古川さんなどは遠方からコンサートを聴きに来てくれているにも関わらず、受付まで手伝ってくれた。

後片付けまで顔見知りのお客さん達が手伝ってくれるし、僕等は本当に恵まれていると思う。

この日、コンサートに足を運んでくれた全ての人に感謝。

 

ところで、前日、良く晴れていたのだが、富士山は少し雲がかかっていたので、今日は帰りにアルマジロ君が富士山に連れて行ってくれる、という。そして、そのまま東京まで送ってくれるのだ。

朝はたけちゃんと一緒にコメダ珈琲で食事。愛知県発祥のコメダ珈琲はたけちゃんにとって別宅のようなもの。

めいっぱいのものをオーダーして、トイレにいくようなふりをして支払いを済ませる。その気づかいと早技はさすがなものだ。

いつか恩の100倍返しをしなければ、と、ずーっと思っている。今でしょ!といわれてもまだ無理かもしれないので、たけちゃんには長生きしてもらわないと。その前にこっちも、か。

たけちゃんとはここでお別れ。そして彼は浜松での仕事に向かって去っていった。僕等は、いざ、富士山に向かう。

5合目まで来ると雲海が眼下に見え、頂上が手に取る様に見える。写真 また、絶好の快晴だ。こんなに美しい富士山を、こんなに近くから見ることは今までにもなかったことだ、とアルマジロ君くんとパートナーの“いくさん”(コンサートでのステージ上の看板を製作してくれた人)も感激。

僕も静岡生まれなのにこんな光景は初めてだし、希花さんもあまりの美しさにはしゃぎっ放し。

しばし世界遺産を堪能してから、あれだけ食べたのにあろうことか、アルマジロ君が美味しいうどんを食べに行きましょう、と言って、なんだかすごい山の中にある素敵なうどん屋さんに連れて行ってくれた。

コンサートをして、こんなにいい思いをさせていただいて、本当にいいんだろうか?とつくづく考えてしまうが、こんなにいい人達に囲まれているのだから、これからも進化しながら続けていこう、と心に誓いながら、帰路に就いた。

明後日にはいよいよニュー・アルバム“The Rambler”ができあがってくるはずだ。よほどの天変地異が起きない限り。

これからもよろしくお願いします。写真(1)

2013年8月 Mareka&Junji 関西ツアー

8月29日 大阪オッピドム

1年半ぶりの、元ロストシティ・キャッツのリード・ヴォーカル、今富君のお店。この日の大阪は暑かった。もしかしたら台風が来るかも知れない、と思われていたが、そこは「最強の晴れ男」なんとか大丈夫だろう、と思っていた。

果たして…またまたいい天気。少しどんよりしていたが、雨は降って来ない。しかし考えられないくらいに蒸し暑い。東京はここしばらく、少し空が秋めいてきたかな、と思わせるくらいになってきている。そのうち暑さがぶり返すだろうが。

お店は先週、大雨で閉めた、と言っていた。被害はなかったようで良かったが、大阪が大雨だったのは聞いていた。もう地球規模で天変地異だ。

今富君はもうベテラン中のベテランだ。ちょいちょい、とサウンドもセットしてくれる。彼を慕ってこの店にやってくるお客さんも多くいることが良く分かる。

日本のブルーグラス界、音楽界になくてはならない存在だ。

開演時間になると、お店はほぼ一杯。熱気に溢れている。なんとなく大阪のお客さん、という感じだ。外の暑さは気持ち悪いくらいだが、中の熱さは気持ちいい。

今富君もにこにこしてサウンド・エンジニアをしながら聴いてくれている。これって、演奏者にとってはすごく嬉しいし、頼りになることです。

厨房では、去年と変わらず、平岩さんが腕をふるってくれている。

時の経つのは早いもので、アイルランドから戻ってきてもう2週間にもなる。そして、バタバタしている間にこの日が来てしまった。でもやることがいっぱいあるっていうのは取りあえず生きている証になるかもしれない。

今富君もずいぶん精力的にお店を営業しているようだし、きっと忙しいんだろうな。なんといっても一番大変なのはお店のオーナーだろう。

また、終わってからみんなでナターシャーの唄などを歌いながらそんなことを考えていた。ここで、こうしてみんなが集まって音楽を楽しんでいる姿は美しいものだ。

今回、今富君の歌は聴けなかったが、またなにかのかたちでここに来れたら、今度は是非一緒に演奏したいものだ。

お手伝いをしてくれた女性は、アイリッシュ・ハープを演奏するし、この地にも多くのアイリッシュ・ミュージック・ファンとブルーグラス・ファンがいる。今富君は、彼ら両方をさりげなくサポートしてくれている。とても頼りにしています。

オッピドムに集まっていただいた全ての方に感謝します。

 

8月30日 奈良 丘の上食堂

今日こそは台風の影響を免れないだろう、と思いきや、ちっともそんな様子はない。朝、木内君の車で高見さん(秩父)と共に難波まで行った。ここから近鉄電車に乗るのだ。

木内君とはここでお別れ。次、会う時にはもうちょっと痩せているかな。水泳、頑張ってください。

さて、丘の上食堂は10年ぶり。前回と同じく昔からの友人である栄君が声をかけてくれた。丘の上食堂は、マスターの手作りソーセージが評判のお店だ。いや、それだけではない。料理の全てに心がこもっていてとても美味しいお店なのだ。

まず、極上の冷製パスタをご馳走になり、近くの豆屋さんで美味しいコーヒーをご馳走になり、これで帰って寝たら最高の人生、なんて…。

お店いっぱいのひとが集まってくれた。帰るわけにはいかない。少し雨も降ったようだが、台風とは程遠い。

希花さんは修学旅行以来の奈良。演奏で来るのは初めてだ。僕も10年ぶり。確かナターシャーの極初期の仕事でも来ている。1971年だっただろう。

希花さんとやり始めて3年目。近くまで来ていたが、なかなか足がのばせなかった。そんな僕等にとって初めての奈良が丘の上食堂で本当に良かった。

終わってから、同じく昔からの友人、塩田君も交え、楽しくジャム。そして更に打ち上げで沢山のお料理を出して戴いた。

是非また来たいお店だし、音楽もまたここでやりたいし…栄くん、これからもよろしくお願いします。仲間のみなさんも。

お天気があやふやだったこの日に集まっていただいた、沢山のみなさんに感謝します。

 

8月31日 神戸ロッコーマンホール

もういい加減台風の影響を受けてもいいだろう、と思いきや、蒸し暑いだけで雨は降らない。

今日の会を主催したのは僕で、あくまでトライアルであるのだ。(天才バカボンみたい)去年、三津谷リノさんにGalwayで出会ったことがきっかけになった。

彼女のお父さんは、元ロッコーマウンテン・ボーイズのバンジョー弾き。関西では名の知れた凄腕ピッカーだった。

家族で三津谷組という工務店みたいな名前のバンドをやっていることは知っていたが、全く交流はなかった。

僕は常から、アイリッシュ・チューンやスコティッシュ・チューンをアイリッシュとブルーグラスの両面から演奏してみたかったのだ。

どちらもそこそこ知っている、という人間では、なんとか太郎のやっているような“なんちゃって…”と変わらなくなってしまう。

これを企画するには、どちらに関してもかなりディープな世界に踏み込んだ経験が必要だろうな、と感じた。

今回は、企画したすぐ後に僕等はアイルランドに行ってしまうし、三津谷組は家族がみんなとことん自由に生きていて、なかなか顔を合わせない、ということだし、どうなるかわからなかったが、お母さんに会ってその心配も和らいだ。

なかなかの人だ。大人しい三津谷君とは正反対。多分リノちゃんは中間だろう。なにはともあれ素晴らしいエンタティナーだ。そこに控えめなギタリスト、堀川さんが加わる。

一部はそれぞれが25分ずつ演奏。2部でまず、僕と三津谷君とでダブル・バンジョーをやってみた。

若い時ならふたりでバリバリやるところだが、そんなわけにもいかない。なんかいい感じで年寄りふたりが楽しんで弾いているところが見えたら良かったかな、と思っている。曲はClinch Mountain Back Step とEarl’s Break Down.そしてリノちゃんと希花を呼んで僕と3人でMaids of Selma setとJerusalem Ridge.ギターに堀川さんを呼んでMason’s Apron/Devil’s Dreamを。

実際はCuckoo’s Nestのようにブルーグラスでは2パート、アイリッシュでは3パート、しかも少しだけメロディが違うもの、Blackberry Blossomのように全く違うものLord MacDonald’sとLeather Breechesの、どちらともつかない殆ど一緒の曲など、探せば沢山あるので、また次回ということで。

そして、みんなで一緒にWhiskey Before Breakfast/Soldier’s Joyと言わずと知れたバンジョー・チューンFoggy Mountain Break Downここではお母さんが素晴らしいバンジョープレイを聴かせてくれた。

そして困ったことにアンコールが来てしまったので、ここはこの会のきっかけになったリノちゃんと希花と僕とでSi Bheag Si Mhorを。

三津谷君、どうも有難う。二人でまともに弾いたのは初めてだと思います。とてもシャイな性格なのにプレッシャーを与えてしまったかもしれません。これに懲りずにまた一緒にお願いします。

リノちゃん、ひょんなことから出会えて、お父さんとも久しぶりにお会いすることが出来ました。お父さんとのフィドル&バンジョー、すごく良かったです。

お母さん、あなたは偉大だ。あなたのような人はそんなにいません。是非、どのような形であれ三津谷組を引っ張り続けて行ってください。

堀川さん、なんとも大変な立場でありながら、どうにでもなりそうなこのバンドと末永くお付き合い、よろしくお願いします。

そして、この日、台風が来そうだったのにめげることもなく集まっていただいたお客さんに感謝します。

奈良で鹿と遊んでいて開演時間に遅れた人もいました。遠く岡山から来てくれた人もいました。みんな有難うございました。

初めての試みで至らないところがあったかもしれないけど、本物の伝承音楽のクロス・オーバー、これからも企画してみたいと思っています。

 

2013年8月17日、18日

2013年8月17日 居酒屋ぴん

前日まで気温15℃ほどのアイルランドから一転、強烈な暑さの京都が誇る、白波瀬さんのお店“ピン”でのライブ。

げらさん、ななこ、いねこ、おたやん、久々の木内さん(3キロ痩せたそうだ)バンジョーを貸してくれる澤田さん、それに今回はアイリッシュ・ハープ奏者で有名な小野田さん、マルチ・プレイヤーのご主人、片岡さんの妹さん(片岡さんは、ナターシャー結成当時からの仲間だったがみんなに愛されてこの世を去った)ぽん吉さん、その他にもよく見たお顔がいっぱいで…わたるくんも、高見さんも、婚約を発表した谷口さんも、みんな集まってくれた。

僕らは時差ボケやら、あまりの気温の差で意識もうろうとしていたかも知れないけど、みんなの笑顔に支えられて無事、音楽会を終えることができました。

白波瀬さん、お店のスタッフのみなさん、そして、ぴん仲間のみなさん(初めて来た人も、もう“ぴん仲間”です)ありがとう。

とりあえず無事帰ってきてみんなのお顔が見れて嬉しかったです。

 

2013年8月18日 岡崎シンフォニア

深谷君にお願いして京都からの帰り道に寄らせていただきましたが、いっぱいの人が集まってくれました。

遠く千葉からも綿貫さんがこの日の為に来てくれました。

前回、岡崎でやった時オープニング・アクトを務めてくれた杉浦君もお顔をみせてくれました。豊橋の鈴木さんも、澤田さんも、そして、てーさん、野口君も、そしてなんと、アイルランド、ゴルウェイでの僕らのコンサートを見に来てくれた北向さん、ここにもバックパックかついでやってきてくれました。もちろん高見さんも。そのほかにもお見受けしたお顔が、また初めての方もいっぱい。

そしてこの地方では欠かすことのできない存在。かの有名なる“たけちゃん”。さいごにはみんなでジャム・セッション。

深谷君、そしてスタッフの方、暑いところを駆けつけてくれた全ての方に感謝です。前日の京都もそうでしたが、まだまだ時差ボケが残る僕等を暖かく迎えてくれてありがとう。  次回はもうちょっと“シカッ”としているかも…。

6月22日彦根、23日大阪、そして24日豊橋

台風が近づいていた、というのに、またまた温帯低気圧とやらに変わって、たいした雨も降らず、21日に京都に着くことが出来た。

21日は、古い友人の家でちょっとした集まりがあり、美味しい食事と、少しの音楽と、人生において為になるお話などに華が咲いた。

希花以外はみんな年寄りばっかりで、それなりにみんなパワーのある人達に囲まれて、大変だっただろうけど、少しは生きていく力というものを感じてもらえたかな。

22日、僕らは彦根に向かったが、またしてもいい天気。3日ほど前の予報だと台風直撃ということだったが。

マンドリン弾きの杉野さんが駅まで出迎えてくれた。ラブ・バードという、地元で長いことやっているフォークやブルーグラスを演奏するグループだ。

西川さん、大林さん、そして杉野さんのトリオ。彼らが最初に歌って、ぼくらが1時間ほどやって、それから「柳の木の下」「フォギー・マウンテン・ブレークダウン」「さよならが言えない」を一緒に。

みんな達者だ。北海道のトゥレップ楽団のように、みんな心から音楽を楽しんでいることが良く分かる。

それに沢山の人を集めてくれて、沢山の人がお手伝いしてくれて、そんな皆さんに感謝。ラブ・バード、いつまでも歌い続けてください。

23日朝、よいよいよい祭の本番前リハーサルに出かける。またいい天気。今日は一日が長いのだ。

昼と夜の二回公演。北山さん、杉田二郎さん、高石さん、永さん、そして桂文枝さんと、そこにMareka&Junji。バック・ミュージシャンは最強、河合徹三さんとアリちゃん、そして、九州から北山先生の相棒、行徳伸彦さん。

僕らはトップバッターとして、ブルーグラス、アイリッシュ、そして、「別れの唄」をやらせていただいた。

このコンサートについてはいろいろなところで語られるだろうが、とにかくぼくらにとっては、普段ぼくらの音楽を聴いたことが無い人達が、それも大勢集まっているわけだから、とても嬉しいことだ。存在すら知らない人達がほとんどだろう。

そんな中ではいい感触が得られたような気がする。

教科書で知った「あの素晴らしい愛をもういちど」にバイオリンで参加した希花にとっても貴重な体験となっただろう。

24日は豊橋。「あんくるとむ」というお店で、マスターの高津さんにはむかしからお世話になっている。

たけちゃんと待ち合わせして、たけちゃんの家で美味しいうなぎと茶碗蒸しなどをいただいた。その茶碗蒸しはたけちゃんのお手製。むかしはその道で生きていた彼だ。絶品茶碗蒸しだった。

「あんくるとむ」には久しぶりにここでやったら?と言ってくれた鈴木さん、そして高石さんのホームページを作ってくれている澤田さんをはじめ、たくさんの往年の方たち、また、初めて聴く人達も来てくれて、とても暖かい雰囲気の中で演奏が出来た。

みんな、長い間ありがとう。いやいや、これからもよろしくお願いします。高津さん。

「あんくるとむ」をできる限り長いこと続けてください。

豊橋は希花の父方の実家です。彼女もここに来ると豊橋弁を喋ります。「そうだらー。やってみりん」

帰りにたけちゃんがホルモン焼きのお店に連れて行ってくれた。感じのいい、かっこいい若いマスターと奥さんが、おいしいホルモンを食べさせてくれるお店だ。名前は「りこ」というが、「り」は里「こ」はにんべんに古いという字を書く。

遅い時間に少しだけ頂いたが、さすがにたけちゃんの薦めるお店だ。翌朝にも全然胃もたれなどしなかった。

そこで、東京に戻る新幹線の中、たけちゃんの奥さんが作ってくれた絶品梅干し入りおにぎりをいただいた。

今回も本当に沢山の人に感謝だ。ありがとう、京都の丸尾さん。ありがとう彦根、大阪は別物としてもありがとう(規模が大きいのですごく沢山の人が働いてくれていました)、そして、ありがとう豊橋。

これからもよろしくお願いします。

Mareka&Junji at 越谷おーるどタイム

長い間、ハンマーダルシマー奏者の高橋康夫さんから、「越谷にいいお店がありますよ」と、聞いていた。

越谷というと、僕にとっては“スネークマン・ショー”の“ホテル、ニュー越谷”でしか馴染みが無い。

道中そのことを一生懸命になって説明するが、やっぱり「なんですかそれ」という返事しか返って来なかった。

駅に高橋さんがむかえにきてくれた。同じくハンマーダルシマー奏者のインテリ北向さん、それに、な、なんと奈良から谷口さんまで来てくれている。

最初の一言が「いやー、晴れましたね」というくらいに、今日は間違いなく雨が降る予定だったのだ。ところが、まぁ、曇ってはいるがそこそこの天気で、雨が降る様子はない。またしても晴れ男全開だ。

10分ほどでお店に着いた。中に入るとオーナーの椋野さん御夫妻が暖かく迎えてくれた。

沢山のフィドルやバンジョーなどがお店に飾ってあり、いかにもその手の音楽に永い事携わって来ている感がある。

少し音チェックをしていると、高見さんや、出張をダシにして大阪から来たわたるくん(いや、仕事はちゃんとしてきたようだ)近所といえば近所の村松さんと古川さん、ごくごく近所の松尾さん(この人、ホームページを見て初めてのお店に駆けつけてくれた、京都の平安女子校の出身)そして、続々と高橋さんのお仲間の方や、椋野さんのお仲間の方がやってきてくれた。

ブルーグラスやオールド・タイム好きの人達も多い中、彼らにも充分アイリッシュの魅力は分かってもらえるだろうし、今回はThe Rambler/Banish Misfortune/Bye A Whileというジグのセットから入り、Red Crow/Darley’s/Big John McNeille’sのリールセット、あとは朝の雨やホーンパイプなど、それにホテル・ニュー越谷のこともみんなに訊いてみたが、実在しないらしい。さすがにある程度御年配の方が多いのでみんな知っていた。

一部が終わると、見たことのある人が挨拶にきてくれた。アイルランドに長く住み、それもフィークルの片田舎のとんでもないところだったが、そこでずっとアイリッシュ・ミュージックを勉強してきた通称“たか”だ。

もっと根暗の感じだったが、少し明るくなったようだ。ナターシャー時代にも会った事があるらしいが、その頃彼はまだ小学生だったんじゃないかな。とにかくマーティン・ヘイズのようにフィドルを弾く男だ。

今日は終了後にセッションがあるので、楽しみだ。

2部はリクエストのあったFar Away Waltz/Trip to Skyeのセットから、恒例フォギーを高橋さんに借りたバンジョーで。これが実にいい音がする。

弾きやすく状態もいいので、次回も借りることにしよう…なんちゃって。よろしくお願いします。

コンサルティーナも登場して、あと何曲かで終えて、さてさて、そのまま少し態勢を整えてセッションタイムに突入。

高橋さんのバンド“フェアリー・ドクター”のメンバーや、他にも楽器を弾く人達、なんといっても圧巻は2台のハンマーダルシマー。独特な音の、また独特な形のこの楽器が2台並ぶとなかなか荘観である。

ベテランの高橋さんのプレイも、北向さんのプレイも素晴らしいものがある。よくこんな珍しい楽器に目をつけたものだな、と感心してならない。

‘94年に連れてきたロビン・ピトリーのことを想い出した。

そして、“たか”にマーティン譲りのクレアー・スタイル・フィドルを聴かせてもらい、いよいよマスターの登場だ。曲はJerusalem Ridge。3回目で希花がメロディーを弾くと、マスターがハモる。これが実に綺麗だった。次は是非ステージの上でお願いしたい。

楽しかったセッションも、あっという間に2時間ほどが過ぎ、お腹が空いたので、絶品タコライスを注文。とっても美味しかったです。

みなさんどうもありがとうございました。

高橋さんと、彼の金髪ギャル奥さん(名前聞いているはずなのに)忙しく走り回り、お店のお手伝いからCD販売まで請け負ってくれました。本当にありがとう。

椋野さん御夫妻、お世話になりました。とても素敵なお店で沢山の仲間に囲まれたこのおーるどタイムを末長く続けていってください。タコライス美味しかったです。

あっ、注文するのすっかり忘れてました。お店のホームページで見て楽しみにしていた、チョコスポンジロール・キャラメルクリームチョコクッキー入り(注文する時、舌噛みそう)次回よろしく。

ライブ・セッションの様子をお店のブログにのせていただきました。ぜひごらんください。    →おーるどタイムブログ

Ari,Mareka&Junji 秩父・大泉

梅雨だというのにいい天気。こちらにとっては有難いかぎりだ。もし、有山じゅんじと一緒だったらどしゃ降りだろうか。それとも彼はもう雨男を返上しているだろうか。「きょうは朝から雨~♪」聴こえてきそうだ。

さて、同じアリ始まりでも、アリちゃんこと、松田幸一さんとの2日間ツアーの始まり、はじまり。

よくありがちな、お互い少しずつやって、最後に数曲、というコラボではなく、最初から一緒に、というのが僕の考えで、それ用のレパートリーを用意するが、売れっ子のアリちゃんだ。なかなか音合わせの時間が無い。

それでもやはり歴戦の勇者である。それに関西人の血が騒ぐのか、すっとぼけた面白さで、なかなか笑わせてくれる。

秩父、ホンキー・トンクはご存知“鈴木まーちゃん”の歴史のあるお店。ミュージシャンなら誰もが逢いたくなる人物だ。

こちらもなかなかにすっとぼけていて、仙人のような人だ。

早速ぼくらを蕎麦屋に連れて行ってくれた。「最近知ったけど、なかなかに美味い店ですよ」と煙草を申し訳なさそうにすいながら言う。煙草は止めた方がいい。健康で長生きしてもらわないと僕らが困るからだ。

お蕎麦屋さんがどこにあったのかよくわからないが、ホンキー・トンクから車で20分ほどのところだった。

お蕎麦に天ぷらの盛り合わせ、それに欲張って、稲荷寿司までたのんだところ、想像以上に量が多く、また、お蕎麦はお店の外観からも容易に感じ取ることができるように、かなり美味しかったので、ついつい食べ過ぎてしまった。

まーちゃんは蕎麦の違いが分かる男だ。してみると、僕はあんどーなつの違いが分かる男だろうか。

近藤君のPA、根岸さんのお手伝いでリハーサル。外ではもう京都から稲子さん、奈良から谷口さん、大阪からわたる君という錚々たる顔ぶれが待っている。もちろん後から高見さんも合流である。

リハが終わってもお腹いっぱいの僕らは皆野駅ツアーへと出かけた。散歩である。つばめが飛び交っている。

「これだけ忙しそうに飛んでいるし、きっと雨やで」というありちゃん。でも最近は、つばめにすら天気を予測するのが難しいのかもしれない。

民家の軒先にふと目をやると、こどもたちが巣の中から首を出して、ピーピー言っている。しばらくみていると様子をうかがってあたりを飛んでいたお母さんが、えさをくわえてこどもにあたえてはまた飛び去って行く。

そんな光景をしばし眺めていると、続々とお客さんが登場。

まず、西島かんじさんと、いつものおとさんがオープニング・アクト。今回おとさんは娘さんとのデュオを聴かせてくれた。

 

 

そして、まだお腹一杯のぼくらはステージへとあがる。

近藤君のつくりだす素晴らしい音に乗せて、InisheerからOut on the Ocean。夜汽車から星めぐりのうた~Morning Starへ。ありちゃんのハスキー・ボイス、ハープとハーモニカ、そしてアイリッシュ・チューンにもっていくこのセットは僕らならでは、だろう。常に、“他の誰か”みたいではない音を目指している僕らにとって、ありちゃんは最良のパートナーかもしれない。

ハープでBanks of Suirを聴いてもらったあと、八戸小唄からReel Beatrice/Abbeyのセットで希花のフィドルさく裂、ありちゃんのバウロンもさく裂。そしてOcarina/Tatoo。

休憩を取って二部はDeclan/She’s Sweetest…のセットを僕と希花で。ありちゃんを呼んで再びハスキー・ボイスで“港”。ハーモニカでミケランジェロのあと、希花さんの、まだ新兵器と呼べるだろうコンサルティーナ登場。みんなでTour de Tille。会場のみんなとGood Night Irene、そしてハード・タイムス。La PartidaからFoggy Mt.BD。アンコールに応えてSi Bheag Si Mhor、それから遠路はるばるやってきたうちの一人、40年来の友である稲子さんのリクエストでOrange Blossom Special。一旦終わるが、嬉しい事に再びアンコール。みんなで“風”を唄ってお別れとした。

後は打ち上げ。まーちゃんのマンドリンを聴こう、という会、ではないけど、楽器を持たせたら、もう持っているだけでも雰囲気が伝わって来るまーちゃん。

今回も無理を言ってお願いしてしまった。でも、本当にまーちゃんのような人は貴重だ。だからタバコも少し控えて長生きして欲しいのだ。そんなこと言っている自分がいつ逝くかわからないが、生きている限り末長く付き合って頂きたいし、たくさんのミュージシャンをサポートし続けてくれるだろう。

いつもと変わらず美味しいお料理と美味しいビールで、ここのマスターにも、まーちゃんのスタッフにも感謝。まーちゃん、有難う。

 

 

 

さて、一路久保田さんの待つ、大泉生活文化研究所へ。なんかいかめしい名前なので、最初はどんなにビシッとした人が苦みばしって出てくるのかと思いきや、とても気さくな万年青春のような明るい人、久保田さんのところでは、もうここ2年半ほどの間に3回もやらせてもらっている。

希花のお気に入りの場所だ。そう、どこか世屋高原の椙谷さんを思わせる。場所のすばらしさも人柄も。

ありちゃんは初めて来るが、気持ちの良いスペースで早速コロンと寝そべって心地よい風に当たっている。

美味しいコーヒーをいただき、そうだ。今回は希花も新しいカメラで、バッテリーも充分入っていたので、まず写真を。中川イサトさんに習って食事や飲み物を記録しておかなくちゃ。あの人の場合、ほとんどそれだが、いや、そんなこというと怒られて友達から削除されてしまうかもしれない。くわばら、くわばら…。

今回は3人ということで、富沢君がPAを運んでくれた。いつも感心するが、音屋さんというのは音に対する知識、機械に対する知識だけでなく、力と根気強さも必須条件に入っているんだろうな、と思う。僕なんかあの数のコードを見ただけでイライラしてくるだろうな。

不測の事態にも即対応してくれる富沢君も強い味方だ。

外にはぞくぞくとお客さんの車が押し寄せてくる。今回も久保田さんが沢山の人を集めてくれているようだ。

またまた久保田さんの人徳のなせる技だ。

久保田さんのお孫さん、漢字を尋ねるのを忘れてしまったが、ゆうなちゃんは、みんなにトイレの場所を案内してくれている。トイレの神様だ。

曲目は2日間、大体同じものを用意したが、そこは昨夜のうちあげでの収穫、ありちゃんがKesh Jigをハーモニカで吹くことを知って、早速取り入れた。

夜2時頃打ち上げから帰ってきても、フッと目が覚めて、そうだ、KeshからOutOn the Oceanもいけるな、等と考えると眠れなくなる。職業病か、おかしいかのどちらかだ、ということは自分でもわかっているが、特にアイリッシュを名乗ってやっている人達はそれが当り前だろう。

結局、Paddyのバージョンはどうだったかな、Frankieは?もっと古くJames Morrisonは?あ、そういえばMichael Colemanにこんなセットがあった、なんていうことを考え始めると朝まで眠れなくなるのだ。

それはさておき、高見さんや、高橋夫妻(金髪のギャル奥さんの)北向さん、村松さん、省悟のいとこの坂庭君夫妻、いつも来てくれるハキハキした、言葉使いのきれいな男の子と美人の妹を引き連れたお父さん、高須クリニックにでも行っているのか、と思わせる若いお父さんと16歳のハンサムな息子、沢山の顔見知りから、初めての人まで、みんな喜んでくれたようだ。

僕らに出来ることは、いい音楽で久保田さんのような人に恩返しをすることだ。そのためには寝る暇も惜しんで練習することも大事だし、セットのことを練って練って考えることも大事だし、お話も、もっとちゃんとできなければいけないだろう。

取りあえず、沢山演奏して忙しいミュージシャンを演出するよりも、大切なことが山ほどある。久保田さんのような人をみていると、本当にそんなことを感じるのだ。

ミュージシャンにとって本当に大切な事は、人前に出て演奏することだけではない。寿司屋は8割が仕込みと後片づけだ、と思ってやってきた僕にとっては、ミュージシャンも一緒だ。

久保田さんも、あまり表には分からない8割のところをすごく大切にしている人だろうな、という気がする。

理屈はともかく、ありちゃんと僕、合わせて130歳、え?本当?今更ながらびっくり。それに25歳の希花。平均年齢を取るにはあまりにも希花が可哀そうだが、このトリオはなかなかに面白い、と僕は思っているが、どうだろう。

僕らふたりとも将来希花の患者になるだろうか。おー恐。

久保田さん、奥さん、どうもありがとうございました。みんな長生きして希花のお世話にはならないようにしましょう。彼女、手ぐすね引いて待っていますから。

Mareka&Junji In静岡

やってきました。今度は僕の故郷、静岡。天気も上々。

まず、母校、城内小学校を見学。もう60年近く前のことだ。きっといろいろ変わっているに違いないと思いきや、あまり変わってはいなかったが、名前が変わっていた。それって充分変わっているうちに入るか。

ちょうど運動会らしきものをやっていて、細かいのが走りまわっていた。そして、そのすぐ横にあるのが、同じく母校、聖母幼稚園。

前回の希花の幼稚園と同じく、僕もカトリック系の幼稚園だったのは、なんとも偶然である。

駿府公園のわきにある二つの母校。あまりに昔のことで正直懐かしいという感じではなく、よその街に来たような気持ちではあったが、あ、この店まだある、あ、ここも、なんて、商店などを見るにつれ、少し懐かしさもこみ上げてきた。

駅ビルで焼きそばを食べてから、主催者の岩堀さんと合流。昔の友人だ。

彼と久しぶりに連絡が取れ、今回の静岡公演が決まった。とてもきっちりした人で、何度も何度もスケジュールを練り直し、その都度、こういうことになっていますという連絡をファックスやメールで知らせてくれていた。

そんな中で、仕事が終わったら静岡観光を少しして、食事に行きましょう、ということも連絡してくれてあった。

コンサートは翌日だ。

まず、登呂遺跡を見学。ここは小学校の遠足でも来たものだ。希花は初めてみる竪穴式住居に「わー、かわいい。今晩ここに泊まろう」と言うが、若者の素直な感想だろうか。

そのあと、日本平をドライブ。

そして、今晩のメイン、僕が友人たちと45年くらい通い続けた、今で言うと居酒屋のようなおでん屋さん、天野屋へ。

ここの黒はんぺんのおでんやフライは是非希花に食べて欲しく、岩堀さんにお願いしておいた。

高校時代から一緒にフォークソングを歌った仲間も呼んで、小さなパーティ。この次来た時にはまだこのお店あるだろうか。

前はおやじさんと、奥さん、途中から息子さんが入っていたが、今はその息子さんがひとりでやっている。

さいごに会ったのがもう25年くらい前なので、彼もいつまで続けられるかわからないが、できるだけながくやっていてほしい。

希花にとっては初めての黒はんぺんも、僕にとっては懐かしい味だった。

 

さて一夜明けて、いよいよ会場となるアイセル21というホールへ。

豊川からたけちゃんもかけつけてくれている。

会場には懐かしい顔、そして顔。もうみんなのことをかけばきりがないし、お顔は覚えていますが…のひともずいぶんいる。

まず、地元のバンドがふたつ演奏をする。

岩堀さんもマンドリンで参加しているし、旧友の富田君は相変わらず渋い声を聴かせてくれているし、藤本一平のベースもいかにもベースマンらしい演奏を聴かせてくれる。

彼とは大学でも京都で一緒にバンドを組んでいた仲だ。

そして、いよいよ僕等の番。

150人ほどの会場はいっぱいで熱気が伝わってくる。

Banks of Suirからそのまま朝の雨。Smiling Bride/ Fox Hunterのセットでアイリッシュを聴いてもらい、そのあとはいろいろ。

懐かしい気持ちもあり、それでも初めての人にも分かりやすいメニューを考えるのは大変だけど価値があることだ。

舞台というのはひとつひとつ違う。アイリッシュ・チューンと一緒だ。

最後の別れの唄では高校時代から一緒にフォークソングを唄っていた親友の三好君の顔が浮かんできて感極まった。(因みに彼はご健在で、会場にも来てくれていた)

そして、アンコールではみんなで、ナターシャー最初のマンドリン弾きの金海君も交えDay Break in Dixie, そして富田君の渋いボーカルでLast Thing on My Mind,最後にみんなで Foggy Mountain Break Down。

みんな素晴らしい笑顔で、おたがい、やっぱり生きていてよかったということが心底から確認できた。

希花と出会い、一緒に演奏し初めて音楽での生きがいを心から感じ始めている今、この時期にこうして、故郷で仲間たちと再会できたことの喜びを打ち上げ会場でもみんなに伝えたかった。

でも言葉が詰まってしまった。

みんな有難う。岩堀さん、PAの前田さん、沢山のスタッフのみなさん、そしてバンド・メンバーのみなさん、有難う。

お客さんも、沢山の知っているお顔。どうしても想い出せないお顔。失礼なこともあったかもしれません。でもまた戻ってきたいと思っています。

その時はこれからの新しい友人として迎えてください。希花共々よろしくお願いします。

 

 

 

 

同級生 関 孝さんからのバラの花束