とうとうアメリカの大学でまた学生運動が起こった。
しかし、ベトナム戦争当時のそれとは明らかに違う。
当時のアメリカは、そして徴兵を控えていた学生たちにはもっと深刻な状況だっただろう。
今回のデモは、間接的(と言ってしまえば確かにそうである)な戦争への加担に対するものである、という部分が大きい。
しかし日本は平和だ。
政治家は我が身の懐を肥やすことくらいしか考えていないし、一般の人は芸能人が食事をしているのを見るのが好きみたいだし、本当に平和だなぁと思ってしまう。
僕が本当にそれを感じたのは、やはりアメリカに居た時だったろうか。
人種差別的なことも多くのシーンで感じたし、ベトナムからの帰還兵も沢山知っていたし。
コロンバスデー(コロンバスが最初の航海を始めた日)にビルの谷間をぬって飛ぶブルーエンゼルスの爆音に、耳を塞いで叫び声をあげ、キッチンの隅に隠れたベトナム人の若い子。
当時はもうベトナム戦争から随分と時は経っていたが、周りのほとんどはボート・ピープルだった。
ひょっとしたら彼らにとってはもう過去の事になりつつあったのかな。それでも心の傷はそう簡単に癒えることはないだろう。
初めて聞いた話なんかも含めて、僕自身は時代を引き戻されたように感じていたのかもしれない。
UCバークレーのキャンパスを歩いていた時も「サークルゲーム」が頭の中をクルクル回っていた覚えがある。
今起きている出来事を見て、少しばかり思い出してしまった。
世界はどんどん悪い方向に向かっている様な気もするが、僕が体験した9・11当時の静まり返ったアメリカ、その後のイラク戦争…全てが繫がっている…と感じる。
僕らがこの世を去った後、いったいどうなっているんだろうか。