2023年アイルランドの旅 23

今日は、初めてジェームスという凄くでかい声で歌っているシンガーと話をした。

彼はVegaのロングネックを弾きながら街角で歌うストリートミュージシャンの一人。

前出のロビンと二人でなにやら話をしていた。

ピート・シーガーがこうやって弾いていた、なんていう会話を耳にして僕もなにか話をしたくなったのだ。

一度立ち止まって仲良くなってしまうと、彼、いつもいるから必ず顔を合わせることになる。

まるで商店街の「カレ~トテモオイシ~!ゴ~ヒャクゴジュウエン」みたいなもんだ。

でも、持っているバンジョーにちょっと興味があったので取りあえず話してみることにした。

「Vega?ピート・シーガーモデル?トラスロッドは金属?それとも木?」と訊くと気さくに「2本入っていて金属。これ、ディーリングなんだ」と嬉しそうに話す。

「そうか。僕もディーリングのVega持っているよ」

「ロングネックか?」「いやいや、ロングネックはペグに手が届かない」

なんていう話をした。

彼もそんなに大きい男ではないが、歌がメインなのでキーがE やFにするにはやっぱりロングネックだ。

しかし、そんなにでかくないのに声はとてつもなくでかい。

歌は往年のフォークソングからアイリッシュ・バラッドなど、ちょうどクランシー・ブラザースのような、ウィーバースのような、そういった雰囲気のものを歌う。

マイクロフォンなんか要らない深い声だ。

ちょっと調べてみたら、そのバンジョーもけっこう良い値段するのに、彼も少々の雨だったら平気で歌っている。

でも、さすがにかなり降っているときはいないかな。

先日はロビンが土砂降りの雨の中、マンドリンで歌っていた。

いかにアイルランド人といえども傘をさして歩くくらいの雨の中。

ジェームスのほうが少し常識人なのかな?