音楽と商店街

最近、商店街を歩いていたら聴き慣れた音楽が流れていた。いや、聴き慣れないと言った方がいいのだろうか。

とても日本のいわゆる「商店街」という処に不似合だったからだ。

その曲は「O’Carolan’s Ramble to Cashel」だ。

明らかにNorthern Lights の演奏によるものだったが、恐らくこの曲を知っていたのは僕だけだったろう。

そうこうしているうちに今日は何と「Bonny Bunch of Roses -O」が流れていたではないか。

これにはぶったまげた。

誰の演奏によるものかは分からなかったが、不思議なことがあるものだ。

また、近くの「ライフ」というスーパーではしょっちゅうアイリッシュ“ぽい”ものが流れているが、時々「Jackson’s」が流れる。

僕等がフランキーの演奏から学んだものだが、何故か3パート目がない。

詳しくはLa Cosa Mulliganという名前もあるが「Jackson’s #2」としてもクレジットされることが多い。そしてほとんどの場合3パートだ。

そうなると買い物どころではなく気になって仕方がないのだが、その辺のレジの人に訊いても分かるはずもないだろう。

街で流れているバックグラウンド(通称エレベーターミュージックともいう)は何か自分で考えている時、非常に邪魔になることもあるが、たまには予期せぬところで(不似合にせよ)知っているものが流れるとフッと足を止めて聴いてしまう。

そしてそのアレンジに耳をすましたり、誰が演奏しているものだろうか、などの思いをはりめぐらせてしまう。

それは誰でもが知っているようなポピュラーなものしか聴かない人には分かり得ない世界かもしれない。