久しぶりに古いTommy Jarrellの演奏を聴いた。YouTubeであったが、何はともあれ、今は亡き人を今一度見られるのはありがたいことだ。
僕は確か、1984年の夏、ヴァージニアのゲイラックスで彼を見たことがある。亡くなったのが85年の1月ということなので、ほとんど直前と云ってもいいくらいだ。1901年の生まれというからそんなに云うほどの歳ではなかったが、僕にとってはとうとう見てしまった伝説の人物という感じだった。
大きな木の下で数人とジャムを楽しんでいた。誰かが「トミーだ。トミー・ジャレルがいる」と言っていたがそれでなければ気がつかなかったかもしれない。
バンジョー弾きとしても有名な彼はノースカロライナの生まれ。アメリカでも最も南部訛りのきついところと言われる。また、アール・スクラッグスの生まれた州なので、5弦バンジョーの故郷としても知られている。
何はともあれ、トミー・ジャレルの演奏に耳を傾けるのは何年ぶりだろうか。それは常に、マイケル・コールマンやジェイムス・モリソンのプレイに耳を傾けるのと一緒のことだ。出来得る限り自分のルーツとなる音楽の先人たちの演奏を聴く。最も大切なことだ。
そんな意味では、今の世の中ありがたいものだ。
ついでに大好きだったSonny Terry & Brownie McGheeも観てしまった。Sonnyは86年、Brownieは96年に亡くなっている。
彼等のアルバムはよく聴いていた。Midnight SpecialやPeople Get Ready今聴いてもとことんかっこいい。
ブルーグラスを演奏しているときも、アイリッシュを演奏するときも、ブルースは意識してしまう。
若いアイリッシュの演奏家である希花さんにもこれを見なくちゃ、と言ってB.B Kingから
Johnny Winterそして今回はTommy JarrellからSonny&Brownieまで無理やり聴かせてしまった。
そうこうしているうちにCurtis Mayfieldまでお気に入りになったようだ。