8月 9日 (水)小雨。7時半起床。
冷たそうな風が吹いている。庭でキアラン君の洗濯物が昨日からはためいているので、後で晴れるのだろう。
明日から集中的にコーク、ケリー、クレアと回るので、しばし忙しくなる。ネット環境もよくないところばかりなので、
どういうことになるやら。もっとも、古い時代の音楽シーンにはそんなものは関係なかったのだが。
音楽、特にこの音楽(民族音楽全般といったほうが正しいだろう)では、極悪の環境の中でも歌い継がれてきたもの、演奏され続けてきたもの
の魂を感じることが最も大切なことかもしれない。
幼いスタンレー兄弟が眺めていた景色も、ブレンダン・ベグリーが眺めていた景色も、本で読んだり聞いた話だけではこの手の音楽には入っていけない。
音楽と生活との結びつきは特に語ることでもないような気がする。
今日は、去年ここにいた時にお世話になったジョン(バンジョー大好きおじさん)がバケーションから戻ってくるので、後でワイン片手にやってくるだろうか。
3時頃からカーロウの町に出かけるので、ご飯を炊いてオムレツを作り、持ってきたわさびふりかけと一緒に食べた。
今現在はとてもいい天気。気温は16℃くらいだろう。部屋の中をミツバチが飛んでいる。
急に庭仕事をすることになった。また芝刈りと垣根の葉っぱをカットする。広い庭も結構大変だ。こんなに涼しいのに汗びっしょりになった。
裏庭ではニワトリがこっここっこ言ってウロウロしている。なんか丸々と太ってきたようだ。
カーロウから帰ってきた。何を思ったか急にキッチンの掃除を始めたキアラン君。
希花さんが「ちゃんと食器用の布巾とそこらへん拭く布巾と分けているかな」と心配しているが、見なければ問題ない。
それくらいで病気にはならないだろう。日本にいたら気にするが、ここでは大体のことは仕方がない。
晩御飯はタイカレーと定番のワイン。そろそろ8時半だがまだ全然明るい。日本の4時くらいか。明日からの長旅の用意をしなければ。
家の中がタイレストランの匂いになっている。
8月 10日 (木)晴。7時。朝からキラキラと輝く快晴だ。
今日は午前中に、キアラン君の知り合いの女性のギターレッスンをすることになっている。シンガーだというので、多分スタンダード・チューニング。
どちらにせよ、ギターはなかなか教えるのが難しい。定期的に段階を踏まえて、という感じならばそれなりにやり方があるのかもしれないが。
とにかく見てもらうしかない。
基本的なアルペジオやフィンガー・ピッキングと、ベースランのアイデア、コードワークのアイデアくらいで1時間くらいはすぐ過ぎてしまうだろう。
ましてや話好きのアイリッシュ。それだけで半分くらいの時間が過ぎそうだ。
お、アンドリューからメッセージが入った。彼も歳と共にあまり眠れなくなったか。いや、これから仕事に出かけるらしい。
土曜日の夜、僕と希花とTara&Dermey Diamondの4人でセッション・ホストをやることの確認を、出かける前にしたかったみたいだ。
3時過ぎに家を出たが、町でばったりDave Sheridanに会ったが最後、立ち話で30分ほどかかる。とことんアイリッシュだ。
6時45分頃、コークのCorner Houseに到着。お店のオーナーも顔見知りになったので快く迎えてくれる。
Mattが手ぐすね引いて待ってくれていた。そして、一人のパイパーを紹介してくれた。彼は僕のことをよく知っている、と言って、話を聞いてみると、
約17年くらい前になるだろうか。サン・フランシスコのプラウ・アンド・スターズでケヴィン・グラッケンと一緒にクワルテットで演奏した時の
パイパーだった。名前はEoin O’riabhaigh(難しい名前だ)フルートはConal O’grada、色々と謎だった人脈が繋がって来た。
この日は8時までのセッションなので、キアラン君はそれからカーロウに戻って行った。長い旅路をありがとう。
Mattの家で奥さんのLizが用意してくれた絶品料理とワインでしばし歓談。12時頃に就寝。