8月7日 (水)晴れ。
お昼にBagnalstownを出て一路エニスへ。今日から恒例のFeakleフェスティバルだ。見慣れた景色の中、見慣れたような顔つきの人達と電車に揺られて数時間。
隣の老夫婦(と言えども僕より少し上か)がグミを持っていて、希花が「ひとつもらっていい?って言ってもいいかな」というので「頼んでみたら?」と言うと「そんなこと訊ける訳ないじゃん」と言うので「それじゃぁ僕が…」なんて言う押し問答をしていた直後、にっこりして「食べる?」と言ってグミを差し出した。
ひょっとして分かったのかもしれない。
乗り換えた電車では目の前に20歳くらいのがっしりした男の子が座っていたが、しばらく乗っていると蜂が窓に張り付いて行ったり来たりしている。
彼と目があってどうしようかと思っていたら、その子、そーっと自分のスマホを持ち、思い切り窓に止まっていた蜂を叩き潰した。周りの人も「Oh!」と驚いていた。蜂は見事に潰れて跡形もない。そして汚れた窓を眼の前にあった紙くずで拭いて、じっと自分の携帯を見つめ(もちろんこちらにも潰れた蜂の残骸が付いている)それを自分のジーンズで拭いて、何食わん顔をしてまたメールのチェックか何かを始めた。
ラグビーか何かやっていそうなかなり太い腕の若者。顔はとても幼かったが、やはり日本の若者とはちょっと違う感じがした。
Ennisに着いてからPat O’ConnorにFeakleまで乗せてもらった。今日は9時半からPepper’sで希花さんの大好きなフィドラーのマーク・ドネラン、Moloney’sでジョセフィン・マーシュとミック・キンセラ。
なのでここで僕らは二手に分かれることにした。
マークとのセッションでご満悦になった希花さんがジョセフィンの方に来たのは12時をちょっと過ぎた頃。
さらにこちらでも参加して結局1時半を軽くまわってしまった。
でも電車で爆睡したので元気だった。
どこに顔を出してもホストは大体知っている人がやっているので、とにかく入れ、と言われるのは嬉しいが、それまでにいる人達をかき分けて彼らと席を並べるのは、奥ゆかしい日本人としては気が引けるところもある。
しかし、いいミュージシャンによるいい音楽だ。
夜空に降り注ぐ星のように輝いている。