ネパールの山岳地帯に住む子供たちを記録したもので、ほとんどの子の親が日本で働いている、というものだった。
最初から観ていなかったのでいい加減なことは言えないが、日本ではそのほとんどの親たちは出稼ぎ労働者として多くは料理店などで働いている。
元々は父親だけが行くパターンだったが、とても一人では暮らして行けず、奥さんも呼んで共働きということになる。
子どもは施設みたいなところ、或いは親戚などに預けて後で呼ぶ、という、確かにアメリカでも中国人やメキシコ人などの間では当たり前のことだった。
しかし、なかには行きたくない子もいるみたいだ。
面白かったのは、小学校4年生ぐらいの男の子と女の子が学校の帰り道に話をするシーン。
その道は山の中、川が流れていて、石ころだらけの通学路。40分ほどかけて学校へ行き、家に帰る。
男の子は母親と離れ離れになっているのが寂しいが、そうは言わない。女の子が正直に言え!と責め立てる。
僕も日本に行ってお金を稼ぐ、というと女の子は、あんたの母親でもここにいてなんでも、タクシーの運転手をしてでもお金は稼げる、と云うと男の子は日本の方が稼げる、と言う。
女の子は、お金なんてそんなに重要?と詰め寄る。
お金があれば何でもできるよ、という男の子にお金と心とどちらが大切?と問い詰める。
お金があれば大切な人も守ってあげることが出来る、という男の子。
やがて、その女の子も日本に行くことになる。東京のビル群に立ってネパールはどこから見えるの?と尋ねる。
そして、日本なんかに来たくなかった女の子は両親に別れを告げてひとりネパールに帰っていった。
ネパールに戻った女の子に1年後、またインタビューを試みたが、一言も喋ることなく、黙々と山道を学校から帰宅していた。
僕が住んでいる処にも近所には一杯ネパール料理の店、インディアン、チャイニーズ、中東、数限りなくある。
それぞれにドラマがあるんだろうなぁ。
移民という世界には沢山の問題がある、という事は僕も良く知っている。僕も移民だったからだ。