小指ではない。想い出が続いたのでちょっとしゃれで書いてみようかな、と思ったのだが、
そういえば「小指の想い出」に関する想い出がある。
愛知県の長久手町で僕と省ちゃんと、何故か佐川満男と一緒に演奏した時の事。
彼が「小指の想い出」を歌ったのだ。勿論受け狙いのシャレだったが、これは僕らの世代には大受けだった。
彼、なかなか凄いエンターテナーだった。
いや、今回の小エビだが…。因みに僕はカクテルシュリンプというものはあまり好きではない。
ま、それはさておいて、一言にエビといってもいろいろな種類があるが、勿論、ほとんどの人が知っている車エビやブラックタイガー、芝エビなどの他にスキャンピーという云い方がある。
これは一つの種類のようだが、イタリア語の「スカンポ」の複数形で元々はヨーロッパアカザエビ、というものを指すらしい。
そのスキャンピー、僕はこの呼び名を知らなかった。アメリカではあまり聞いたことがない呼び名だ。
5~6年前、アイルランドのミルタウン・マルベイのパブでキアラン君と希花さんと僕とで食事をした時の事。
僕は早々にチャウダーか何かに決め、キアラン君は…忘れたけど肉だったかな。そして希花さんがじーっとメニューを見つめ、キアラン君に訊いた。
「スキャンピーって何?」メニューには「ディープフライ・スキャンピー&チップス」とあった。
キアラン君、自信ありげに「あ、それは魚の一種だ」といい、それじゃぁ、いつものフィッシュ&チップスじゃつまらないから、ちょっと違う魚にしてみようかな、と希花さんはそれを注文した。
待つこと15分ほど。それぞれの料理がテーブルに並び、やがてスキャンピーがやってきた。
一番驚いたのは誰だったろう。他ならぬキアラン君?。
希花さん、「これエビ。わたしエビ頼んでないけど」するとウエイターがすかさず「スキャンピ―です。マダム」
そんな時のキアラン君はとても面白い。何事もなかったかのように「そうだったな。そういえばエビの事だった」っていう顔をしている。
キアラン君との旅の面白さはここから始まったといっても過言ではない。
以後、何度となくそういう事が起こり、逆に素っ頓狂な答えを期待してわざとキアラン君に訊いてみたりするが、けっこうな確率で期待を裏切らない男だ。
ところでチップスというと、日本ではポテトチップスだが、イギリスやアイルランドでは日本で言うフライドポテトのこと。アメリカで言うフレンチフライのことだ。
イギリスやアイルランドでポテトチップスと云うのはクリスプスと呼ばれている。
そう思っていたらヨーロッパの他の土地ではチップスといったらポテトチップスが出てきた。同じEUなのに。
ここでもキアラン君の面白い説明があったような気がするけどもう忘れた。