9月17日の土曜日は、同じCo.GalwayのPortumnaという小さな町のフェスティバルに出演するため朝からゴールウエイを出発。
コンサートは、マナスとのトリオで90分。
素晴らしい教会、小さくもなく大きすぎるわけでもない、理想的な古い教会。
到着すると音響機材の前に、にこやかな男が座っていた。今日の音響係のアイバンという人。
既に全て用意されていて、やっぱり慣れているせいか、3人がお互いを観る事ができるように、真ん中の椅子を少し後ろに、両端は少し内側に向いている。
細かい話だが、これが理想的な配置。
僕らはただ座っただけでそのまま音を出してみた。
案の定なんの問題もない。
教会の空間と、彼の作り出す音が絶妙にマッチして文句なしの素晴らしい音響だ。
コンサートは休憩なしの90分だが、70人ほどのお客さんは食い入るように楽しんでくれたようだ。
僕はそんな中、1人デューリングバンジョーを演奏。途中でMother’s Love is a BlessingとDanny Boyを挿入。
思った通り、どちらもアイルランド人の心の故郷のような歌なので、みんなが僕のバンジョーに合わせて歌っていた。
それも、教会の壁に響き渡ってこの上なくいい雰囲気に包まれた。
マナスと希花さんのツインフィドルも美しい。何もかも、僕らもお客さんも大満足のコンサートだったと確信している。
さて、終了後、主催者がこの町のどこのレストランでも使える食事券を用意してくれたので、少し寄り道してみることにした。
ここでまたアイルランドらしいことが起きる。
マナスはスープとサンドウイッチ、僕はファラフェル、希花さんはチーズバーガーを頼んだ。勿論チップスも。
飲み物は何にする?と聞かれたので僕はコーヒーを、と言ったら、、希花さんが「何か冷たいものがいいな」とつぶやいた。
お姉さん、すかさず張り切って「アイスコーヒーがあるわよ」と云う。
そこで希花さんが「あ、それにする」と言ったので「じゃ、僕もコーヒーじゃなくてアイスコーヒーにします」と言ってしばらく待っていた。
やがてアイスコーヒーが運ばれて来た。僕はちょっとトイレに行っている間に来たのだが、戻ってくると希花さんが不思議そうな顔をしている。
開口一番「火傷するからストローで飲まない方がいいよ」「え?」アイスコーヒーじゃなかったっけ。
それはなんとストローが刺さった温かいラテのような物だった。
「これ、アイスコーヒーじゃないよね」と言いながら先ほどのお姉さんをみるが、忙しそうにお客さんと話をしたり動き回ったりしている。
面白いからいつ気がつくかこのままにしておこう、と云うことになり、やがてフードが運ばれて来た。
マナスのは頼んだものズバリ。僕のはファラフェルと言えども少しスタイルの違ったラップのようなものだったが中身を見る限りファラフェルに間違いない。
そして希花さんのバーガーもラップのような形状をしている。
「これ、どう見てもバーガーじゃなくね?」と希花さん。これは言わにゃ、と「これ、バーガー?」と訊くと「あら、ごめんなさい」と言って別なテーブルに持って行き、既に出来上がっているバーガーが運ばれて来た。今度はどこから見てもれっきとしたバーガー。ま、これはレストランではたまにある事。驚きやしない。
しかし、僕らはその時点でコーヒーについて何かあるかな?と思っていたが案の定何もない。
さぁ、これはどの時点で間違えたのだろうか。興味をそそられる事案である。
氷を入れるつもりならこんなに並々作らないだろう。温かいコーヒーにストローを刺したのはなぜだろう。コップを持った時、変だと思わなかったのか?
アイルランド人の謎は深まるばかり。
どこかに「このお店のアイスコーヒーは熱いです」とか書いていないか探すがどこにも書いてはない。
結局お姉さん、最後まで気がつかなかった。しかし、感じのいいお姉さんだったし、お店もアットホームな素晴らしいところだったし、町も綺麗だったし、天気も良かったし、コンサートも素晴らしかったので、あ、それと食べ物も美味しかったので、また、ここに来ることがあったら今度はコーヒーを頼んでみよう。
何が出てくるかお楽しみだ。