昨日は珍しく飲みに出かけた。
いや、珍しくないか。シチュエーションとして珍しかったかな。
去年、よく出会ったユジーン、実際にはユージーンのほうが近い仮名表記なのかな?
でも友人のユージーンというのが変で、ユジーンとした覚えがある。
その彼の奥さん、日本人でアユコさんという人から連絡があった。
彼女とは去年、顔だけは合わせた程度に知り合いになっていたが、先日、8時をすこし過ぎたころ、和カフェ(現、和すし)のよしみさんから「今シェリダンズのワインバーでアユコさんと飲んでいるけど来る?」という連絡が入り、出かけて行った。
シェリダンズは有名なチーズ屋さんで、入るなり強烈なチーズの香りが漂うところ。
お店はもうクローズしていて、2階のワインバーだけは開いている。
なので、お店ほどその香りが強くはないが、開いている時間のお店には僕は入れないほどのなかなかのチーズの香りだ。
ほんのりと香り漂う2階なので慣れてしまえば大丈夫。
よしみさんの方は2015年以来の深いつながりで、なかなかのバイタリティの人ということは承知していたが、アユコさんはその上をいくかもしれない。
ちょっとヌートバーのお母さんを彷彿とさせる。
フランスが長いので、英語よりもフランス語のほうが通じやすい、という神奈川県の人。
話が世界中に飛ぶので、しかもヌートバーのお母さん然としているので、めまぐるしい。
面白かったのが、コロナ禍の直前にアイルランドから、ダイビングの免許を取りたくて、エジプトに行って、そこでコロナということになり、7か月間エジプトにスタックしてしまった、ということ。
国籍が日本なので、アイルランドにも戻れず、という状況だったらしいが、なかなか聞けない話をいっぱい聞いた。
さて、ここまでは先日の話。今日は何が珍しかったかというと、セッションをやっているバーで飲む、ということだったかな。
普通、静かなところでしか飲まないが、アユコさんが「4時からフォークミュージックをやっているところ」なんていうので「それ毎週やっているセッションだよ」と返信して、ちょっと出かけてみた。
ユジーンはもうすでに何杯目だろうか。
「この人とまともに付き合って飲んだら死ぬよ。だから適当に帰りたくなったら帰っていいよ」というアユコさん。
重々ご存じです。
奥の方で、フィドラーのマイケル・チャンを中心に10人ほどだろうか。中の数人は良く知った顔だ。
日本人の女の子も数人来ていた。
そのうちの一人はもしかしたら、数年前フィークルでのアンドリューとのセッションの時に会っているかもしれない。
でも、若い女の子に「前にどこかでお会いしましたっけ?」って、なんとなく訊きにくい。
演奏を聴きながら僕もギネスで話が弾む。
やがて、グラスが空きかけると、ユジーンが立ち上がり、新しいギネスが目の前に置かれる。これだ!
アユコさんとも話が弾む。
3人姉妹の末らしいが。2人の姉はあたしどころではない、という。
なぜ「2代目かしまし娘」としてデビューしなかったのかと思うが、曰く、方向性が全く違う3人、ということだ。
このバイタリティで3人三様の方向性、しかも2人の姉のほうが輪をかけて凄い、という。なんとも想像を絶する家族かもしれない。
いや、上の2人は一番下の妹が強烈で、と、きっと言っているだろう。
世界にはいろんな人がいるもんだ。
ユジーンが立ち上がった。
「いや、もうけっこう」と言って逃れる。
逃げるタイミングというのもなかなか難しいが、どうやらそんなことはあまり考える必要がないようだ。
7時。セッションはまだ続いていた。
街がにぎやかになっていくのはこれから数時間後だ。
別なバーからもセッションの音が聴こえてくる。