8月8日(火)曇り。6時起床。
今日はKilkennyでブズーキやマンドリンの制作をしているPaddy Cleereに会いに行く。彼のマンドリンはアンディ・アーバインなど、著名な音楽家も使用しているとてもクオリティーの高い物だ。
7時半、キアラン君の目覚ましが激しく鳴っている。遠くからこけこっこも聞こえる。起きる気配はない。
7時40分、お、また目覚ましが鳴った。今度はガタガタと音がする。お、なんか落としたようだ。
11時、彼の工房。誰の工房へ行っても雑然とした中にも数々のこだわりを感じる。
主にマンドリンとブズーキを製作している彼はテナー・バンジョー奏者、ということだ。
その彼が作り出すマンドリンの音は、これがブルーグラスで使われるものとは全く異なるものだ。そのタッチから音の一つ一つの粒まで、
やっぱりアイリッシュ・チューンを弾くために作られたものだ。
そしてブズーキ。これが極上の音がする。スプルース・トップのものとシダー・トップのもの、2種類を弾かせてもらったが、これはどちらも凄い。
抜群の鳴りだ。これもアイルランドという土地だからかな。
いや、この音の立ち上がりは他に持って行ってもそれなりのものなんだろう。
もし、これから、もうちょっとブズーキを研究したいと思っていたなら喉から手が出るほどの物だ.
訊いてはいないが結構な値段がするだろう。
しかし、真剣にこの楽器に取り組もうと思っているとしたら、一度は手にしてみる価値がある。
Paddyが3人で演奏している動画を撮っていいか?というので今日はフィドルを持っていない希花さんはマンドリンを弾く。
かくして、キアラン君はいつもの自分のフルートじゃないしなぁ、と言いつつ、僕はキアラン君の所有するテイラーギター(これは絶品)を弾き、
希花さんは「いいのかなぁ」と言いながら1年に数回も弾かないマンドリンを弾く、という動画が完成してPaddyも喜んでくれた。
素晴らしい楽器を見せてもらった後は一路Kilkenny市内へ。
因みに彼の工房は市内から20分ほどのところにある。
今日は、もう一つのビッグイベント、この3ヶ月アイルランドにホーム・ステイしながら英語の勉強をして来た早野さんが、帰国直前に僕らに会うために、
エニスからわざわざやってくるという。
10何年もの間、夏休みを利用してのアイルランド探索を続けて来た早野さん。
持ち前のバイタリティで、こんな遠くまで、2時間ほどというほんの少しの時間、僕たちに会うために長い時間かけてやって来てくれた。
そしてそんな彼女をキアラン君が一杯ケアーしてくれた。
早野さんにも、キアラン君にも感謝です。