2017年 アイルランドの旅 7

8月 9日 (水)小雨。7時半起床。

冷たそうな風が吹いている。庭でキアラン君の洗濯物が昨日からはためいているので、後で晴れるのだろう。

明日から集中的にコーク、ケリー、クレアと回るので、しばし忙しくなる。ネット環境もよくないところばかりなので、

どういうことになるやら。もっとも、古い時代の音楽シーンにはそんなものは関係なかったのだが。

音楽、特にこの音楽(民族音楽全般といったほうが正しいだろう)では、極悪の環境の中でも歌い継がれてきたもの、演奏され続けてきたもの

の魂を感じることが最も大切なことかもしれない。

幼いスタンレー兄弟が眺めていた景色も、ブレンダン・ベグリーが眺めていた景色も、本で読んだり聞いた話だけではこの手の音楽には入っていけない。

音楽と生活との結びつきは特に語ることでもないような気がする。

今日は、去年ここにいた時にお世話になったジョン(バンジョー大好きおじさん)がバケーションから戻ってくるので、後でワイン片手にやってくるだろうか。

3時頃からカーロウの町に出かけるので、ご飯を炊いてオムレツを作り、持ってきたわさびふりかけと一緒に食べた。

今現在はとてもいい天気。気温は16くらいだろう。部屋の中をミツバチが飛んでいる。

急に庭仕事をすることになった。また芝刈りと垣根の葉っぱをカットする。広い庭も結構大変だ。こんなに涼しいのに汗びっしょりになった。

裏庭ではニワトリがこっここっこ言ってウロウロしている。なんか丸々と太ってきたようだ。

カーロウから帰ってきた。何を思ったか急にキッチンの掃除を始めたキアラン君。

希花さんが「ちゃんと食器用の布巾とそこらへん拭く布巾と分けているかな」と心配しているが、見なければ問題ない。

それくらいで病気にはならないだろう。日本にいたら気にするが、ここでは大体のことは仕方がない。

晩御飯はタイカレーと定番のワイン。そろそろ8時半だがまだ全然明るい。日本の4時くらいか。明日からの長旅の用意をしなければ。

家の中がタイレストランの匂いになっている。

8 10日 (木)晴。7時。朝からキラキラと輝く快晴だ。

今日は午前中に、キアラン君の知り合いの女性のギターレッスンをすることになっている。シンガーだというので、多分スタンダード・チューニング。

どちらにせよ、ギターはなかなか教えるのが難しい。定期的に段階を踏まえて、という感じならばそれなりにやり方があるのかもしれないが。

とにかく見てもらうしかない。

基本的なアルペジオやフィンガー・ピッキングと、ベースランのアイデア、コードワークのアイデアくらいで1時間くらいはすぐ過ぎてしまうだろう。

ましてや話好きのアイリッシュ。それだけで半分くらいの時間が過ぎそうだ。

お、アンドリューからメッセージが入った。彼も歳と共にあまり眠れなくなったか。いや、これから仕事に出かけるらしい。

土曜日の夜、僕と希花とTara&Dermey Diamondの4人でセッション・ホストをやることの確認を、出かける前にしたかったみたいだ。

3時過ぎに家を出たが、町でばったりDave Sheridanに会ったが最後、立ち話で30分ほどかかる。とことんアイリッシュだ。

6時45分頃、コークのCorner Houseに到着。お店のオーナーも顔見知りになったので快く迎えてくれる。

Mattが手ぐすね引いて待ってくれていた。そして、一人のパイパーを紹介してくれた。彼は僕のことをよく知っている、と言って、話を聞いてみると、

約17年くらい前になるだろうか。サン・フランシスコのプラウ・アンド・スターズでケヴィン・グラッケンと一緒にクワルテットで演奏した時の

パイパーだった。名前はEoin Oriabhaigh(難しい名前だ)フルートはConal Ograda、色々と謎だった人脈が繋がって来た。

この日は8時までのセッションなので、キアラン君はそれからカーロウに戻って行った。長い旅路をありがとう。

Mattの家で奥さんのLizが用意してくれた絶品料理とワインでしばし歓談。12時頃に就寝。