2018年春 アイルランドの旅 1

35日、雨の月曜日、成田空港出国手続きの係官は、まるでビジュアル系バンドのギタリストのような若い男の子で、ひょっとして「人間モニタリング」に引っかかっているんではないかと思うほどだった。

430分搭乗。

しかし成田は遠い。

ずいぶん前、成田に着いた飛行機の中で中国人の団体が「トウキョー!トウキョー!」と興奮して叫んでいたのを横目で見て「これは東京ではない」と心の中で言ったことを思い出した。

アブダビ 午前1時。外は20℃位らしい。

この辺の人たちは寒さには弱いらしい。少しエアコンがきいていると頭から毛布を被っている人が多い。以前、夏にはそんな人を多く見かけたが、この季節、ドライがかかっていて少しだけ涼しくなっているのにどえらい寒そうにしている。

245分アブダビ出発。ベルギーはブリュッセルに向かう。

午前7時過ぎ、ブリュッセル空港に着陸。これから12時間ほどの待ち合わせ。

なので、コインロッカーに荷物を入れてアントワープに向かう。

電車の時間が日本では考えられないことになっている。電光掲示板に表示されているもの、駅員の言うこと、時刻表に掲載されているもの、全て違う。一体どれが本当かさっぱりわからない。しかも、1時間に一本と言うのは本当らしい。

何とか8:41だか8:42だか8:43だかよくわからない電車に乗ることができた。

駅員は45分にもある、とか言っているがどこにもそんなことは書いていない。アントワープまでかかる時間も20分ほどだし、こちらの聞き違いでもなさそうだし。

おし~えておじいさん♪だ。

取り敢えず無事着いた、世界で最も美しいと言われる駅。確かにその美しさに出るのはため息ばかり。

素晴らしく広い静かなカフェでコーヒーを飲み、少しだけ市内観光をして駅に戻って電車の時間を確認する。

お、あと15分、ちょうど良い。あの出店でワッフルを買って素早く立ち食いすれば十分間に合う。

と思ったが、どうやら駅員の言うことにはその電車は突然キャンセルになったらしい。次の電車はあと30分ほどで来ると言う。

そう言えばなんか書いてあったがあれが「キャンセル」と言うオランダ語だったのか。

何はともあれ、それだったらもう少しゆっくりワッフルを味わいたかった。

取り敢えず13:1713:48に変わって21Bと言うホームから出ることは分かった。そして無事空港に着くことができた。

さて、問題はコインロッカーだ。

ちょっと離れたところにある、人が誰もいないひっそりとしたコインロッカー。入れることはできたが出せるだろうか。

案内通りにやっても他のところが開いたりしないだろうか。鍵の方式ではなく日本のコインパーキングのようなシステムだ。

ちょうどスペイン人の若者が二人いたのであいつらのやるようにやってみたらいいだろう、と思っていたが彼らも路頭に迷っている。

4人であーじゃないこーじゃない言いながら、何度か試して、最終的に希花さんが「スキャンが反対じゃねぇ?」と若者言葉で言って

やっと解決。めでたく自分たちの場所が開いたのでした。