2011年 アイルランドの旅 ~ダブリン その1~

旅もそろそろ終わりに近付いている。ダブリンからティペラリーにいるパディ・キーナンに電話した。

2日ほど前、車が故障して、今いるところから動けない、と言っていた。もし行けるようになったら、ぜひ君達に会いたいからダブリンに着いたら電話してくれといわれていたからだ。

パディは電話口で一生懸命、まだ車が治らないのでそちらに行けない。申し訳ない、申し訳ない、と詫びる。また会えるからいいよ、と言うと、もう泣きそうな声ですまない、すまないと繰り返す。本当にやさしい人だ。

もしセッションに行くんだったら、いいところがあるし、君達のことを伝えておくけどどうだ?というので是非よろしく頼む、と言って電話を切った。

ダブリンは大都会だ。ここならあまり苦労せずに醤油味のものが食べられるが、もう数日で日本だ。この際ここでしか食べられないものを食べていった方がいいかもしれない。

勿論、旅の目的は音楽だが、なにを食べるか、というのは結構大きな問題だ。元来あまり気にならないほうだが、やっぱり年齢と期間にも関係しているのだろう。それにしても外国の食べ物を受け付けない人などはさぞ大変だろう。

さて、どこかいいところを見つけてバスキングもしてみよう。大都会では観光客も含め、そこそこ裕福な人達もいるだろう。

勿論、クレアやゴルウェイなどに比べて、忙しく、トラッドなどに興味のある人間の絶対的人数は限られているかもしれないが。

ちょうど人通りの多い場所で、段々になっている広場を見つけた。そこに座りこんで始めてみると、あれよあれよという間にお金が入る。

普通はよくて1~2ユーロだが、5ユーロ入れていく人や、驚いたことに10ユーロ入れていく気前のいい人もいた。

勿論コインも困るくらい沢山集まる。1時間ほどやれば豪華なディナーを食べることが可能だ。

こうしてバスキングをして歩けば、かなり旅行費用は浮くし、いろいろな人にアピールもできるし、練習にもなるし、一石三鳥だ。

明日の夜はパディの紹介してくれたパブにいってみよう。彼お薦めのミュージシャンが集まるパブだ。きっといい音の中に身を置くことができるだろう。