フライトはいままでの中でも指折りの静けさのなか、順調に日本に到着した。
面白かったのが、それまで機内ではマスクに関しての話は全くなく、ほとんどの人が付けていなかったが、いざ到着という皆が立ち上がった瞬間に周りを見たら、一人残らずマスクを付けていた。
この国がおそらく世界でたった一つのマスクカントリーだということは皆知っているようだ。
いままでのようにPCR検査は必要なくなったが、なんだか訳の分からないアプリを入れさせられてそれを見せて…という話。
希花さんが厚生労働省のホームページからそれを入れてくれて、後は見せるだけ。係りの人が操作してくれるから大丈夫、と云われた。
係りの人はほとんどが中国人でちゃんとやってくれるから、と、年寄りでもなんとかなる、と云われた。が、これがなんともならなかった。
「おかしいなぁ」を連発する係りの人。「一度Wi-Fiを切ってください」と云われたがやはり登録時の証明のページが開かない。
仕方がないのでQRコードの読み込みからやり直して、やっとのことで、と思ったら、いらないだろうと云われていたワクチン3回接種の証明書が要る、と云われた。
念のために持ってきていたので問題なく出られたが、もういい加減このシステムは止めた方が良い。
デジタル化と言いながら誤作動ばかりの厚生労働省の考えることなど、迷惑なはなしばかりだ。
3か月間でマスクを付けている人は数人程度しか見なかったのが、これだけ全員が付けていると奇妙な感じがする。
もう先に進んだほうがいいんじゃないかな。
さて、髪の毛が伸びたので、取り急ぎ荷物を置いてすぐ散髪、と思い、商店街に出た。
そこでふと感じることがあった。
なんか、日本人、みんな幸せそうじゃない。表情が暗い。何だろうこの感じ。
いや、もちろん友達と楽しそうに話しながら歩いている人もいるけど、そういう問題じゃないし、それでもなんか表情が暗く見える。
希望を失ってきている日本と云う国のこれが真の姿なのかもしれない。
だとしたらとても怖い。
先ず、もう3年近くにもなるだろうか。コロナを引きずって、まだ、今日の感染者は何人…先週の同じ曜日から何人増えました…なんて、なんの意味があるのだろうかわからないけどそんな情報を未だに流していることが不思議でならない。
なにが正しいのか僕にもよく分からないが、これも日本人が希望を失っている要因のひとつなんだろう。
それに、やっぱり政治の力が無さすぎ。ほとんど全ての事に於いて未来が全く見えない場当たり的なやり方しか考え付かないのかもしれない。
公共料金の値上がり、物価の上昇など、そんな事には関係ない人達に未来を託してもそれは希望が生まれないのは当たり前だ。
しかし、僕もあと数日でこの光景にもなれてしまうだろうけど、今のうちにこの感覚をメモしておいた方がいいかな、と思った。
それくらいに今回のギャップが大きいのは、日本だけが何かが止まったまま、人々…いや、というか、国の心が元にも戻れず、先にも進めない状態にあるのではないかと感じたからだろう。