8月3日 曇り
ドゥーランを出てエニスへ。
コンサルティーナをコーマックから買うことが決まったので、その旨を伝えにカスティーズに行ってみると、ありゃ、僕らが一応ホールドしておいてくれ、と頼んだはずのものが無い。
「あれ、売れたよ」と何事も無かったように言うジョン。結果的には問題ないが、僕らはパウロにあれだけ念をおしておいたのに、と取り合えず不満をぶつけた。
日本ではなかなか考えられないことだ。
夜はいくつかのセッションを見学してから、オールド・グランド・ホテルのパブで演奏している、ブラッキーたちのセッションに出かける。
バンジョーのカロル、ブズーキのショニー、フィドルのジョン・ケリーなどと、生きのいいセッションを楽しみ、1時半ころB&Bに戻る。
アイルランドのセッションとしては比較的早く帰れたほうだ。
8月4日 曇ったり降ったり。
B&Bで一緒に泊まっているドイツ人、フランス人、アメリカ人などと、ワインを飲みながら一日ゆっくりする。
たまにはこんな日もあっていいだろう。
8月5日 曇り時々晴れ。
夜7時からブラッキーのセッションを覗き、久々にブズーキのシリル・オドナヒューにも会い、渋いヴォーカルを聴かせて貰った。
9時からはまたブローガンズでジョセフィンのセッションがある。待っていると、パウロがやって来た。あっ、まずい!と思ったのだろうか。なんとなく存在を打ち消すように
していた。それでもちゃんとセッションには参加していた。
10年以上前にエニスで会った、“フー”こと赤峰君も来ていていろいろ昔話に花が咲いた。アンドリューもカウンターで飲んでいたが、いつの間にか出ていったらしい。パウロもいつの間にか、いなかった。