Irish Music その18

Maid I Never Forget/JB’s/Lad O’Beirne’s(Reel)

 

★  Maid I Never Forget

“かなり前にArty McGlynnとNollaig Caseyの演奏で聴いていたものだが、僕らは

Padraig Rynneの演奏からレパートリーに入れている。Padraigはクレアー出身のコンサルティーナ奏者だが、2002年頃、Breda Smythと共に行ったGalwayのパブ・セッションで一緒に演奏したことがあった。若手ナンバーワンのコンサルティーナ奏者というふれこみ通り、素晴らしくテクニカルな演奏を聴かせてくれた。その時にはCherish the Ladiesのアコーディオン奏者Mary Raffertyとも久しぶりに演奏した  。大きなセッションだったけど、どこだったんだろう”

 

★  JB’s

“全く何の情報も得られないが、Padraigのセットから学んだ。とまで書いたところ、待てよ、他に調べる方法があるだろう、と思い情報をひっくり返していたら見つかった。その文献によると、James Murdoch Hendersonによって1932年頃に書かれた曲らしい。そしてJBとはスコットランドのフィドラー、James B Patersonという人のことだそうだ”

 

★  Lad O’Beirne’s

“Sharon Shannonの演奏でも有名だが、この3曲セットはPadraigのものだ。キーは何故か必ずF”

 

 

Cutting A Slide Reel(Reel)

 

 

★  Cutting A Slide Reel

“これは、Irish Musicその10の項目でGun Ainmとしておいた曲だ。(Road to Ballymacとのセット)95年頃、ジャックの家で教わった曲で、それから15年ほど経って、今度は僕が希花に教えた。Bパートがとても特徴あるメロディで、当時ジャックはPhil Cunninghamと言っていたような覚えがあり、正確なタイトルを知りたかったので、ジャックに電話したが、もう長年弾いていないので覚えていない。どんな曲だった?というので弾いて聴いてもらったところ、確かにPhilの曲だと思うけど調べておくよ、ということだった。数時間たってメールが入った。わかったぞ、Cutting A slide Reelだ。有難うジャック。タイトルの分からない曲もたくさんあるが、こうして情報をえられることはとても嬉しいし、とても楽しいことだ。アイリッシュという音楽をどういうかたちであれ、すこしでも自分たちの音楽の一部としてでも取り上げている人達は、タイトルを知ることや、古い録音に耳を傾けることや、いろんなバージョンを知ることに努力すべきだ”

 

 

The Rights of Man/Pride of Petravore(Hornpipe)

 

★  The Rights of Man

“あまりにも有名な曲だが、誰がいつごろ書いたものかは分かっていない。僕はその昔、1972~3年頃かな、Incredible String Band のRobin Williamsonの演奏で聴いたのが最初だと思うが、彼は3パート弾いていた。だが、それ以後他の人の演奏では3パート目は聴いたことが無いが、それはスコットランド・セッティングらしい。因みにナターシャー・セブンではそれをお手本にして録音したことがある。また、Lord Cedar Hillというタイトルの詩がついている、という話もある”

 

★  Pride of Petravore

“上記の曲とのセットを有名にしたのはDe Dannan。Rights & Prideという上手いネーミングで人々に知られている。イアンとシルビア(カナダのフォーク・デュオ)の1963年のアルバムでこの曲を取り上げていた、という話もあるが、もしかしたら高校時代、フォークソングに明け暮れていたころに聴いたかも知れない。Percy French(1854~1920)の詩で歌われることもある。因みにタイトルはEileen Oge(Young Eileen)だそうだ”

 

 

Lane to the Glen/Man of Aran/The Musical Priest(Reel)

 

★  Lane to the Glen

“Ed Reavy作の有名な曲のひとつ。僕はRandal Bayes&Joel Bernsteinの演奏から学んだ”

 

★  Man of Aran

“ダブリンのパイプ&ホイッスル奏者、Darach de Brunが、友人である同じくダブリンに住むアコーディオン奏者のTommy Walshの結婚のお祝いとして書いた、とされる。尚Tommyは、かの有名な曲Inisheerの作者である、ということだ”

 

★  The Musical Priest

“Bmのとても人気の高い曲だが、アイリッシュ・ミュージックを始めたばかりの希花さんは、ある人達が、半音高いアコーディオンに合わせてみんなが半音高くチューニングをしていることも知らず、Cmでコピーしてしまった。後に本当のキーはBmだと知ったわけだが、いっそのこと両方ともやろう、ということになり、僕らは両方のキーを交互に演奏する。今までに聴いたことのないフィドル・プレイだ。因みにフォギー・マウンテン・ブレークダウンの最初の録音は、やはり半音高いのだ。そうともしらない希花さん。G#というとんでもないキーで事もなげに弾いていたが、ブルーグラスのフィドラーも大したもんだ。こんなに難しいキーでこんなことやるんだ、と感心していたそうだ。彼女にとってキーというものはテクニック的なことでいえば、まったく関係ない”