7月28日 晴 Dingleを12:20のバスで、まずTra-leeに着く。そのころにはすごい雨。待合室のすぐ近くでコーヒーを買い、昨日買ったチョコレート・ファッジ・ケーキと一緒に食べる。あー、コレステロールが…。
ちょっとバスの乗り継ぎが悪く、6時過ぎにエニスに着く。
少しは休むつもりだったが、近くでジョセフィン・マーシュがセッションをしている。そこで、Brogansというパブだが、出かけてみよう。
ジョセフィンとイボンヌ・ケーシーが「あ、来た来た」と出迎えてくれる。15人ほどの質のいいセッションだ。
コンサルティ-ナを弾く小学生くらいの女の子も二人いる。ふたりとも、どこからみてもクレアー・スタイルをきっちり教わっている子だ。
そのうちの一人がディッパーというメーカーの素晴らしいコンサルティーナを持っていた。希花さん、早くも興味津々。なんでも、タッチが軽く、今彼女が使っているものより弾きやすいそうだ。もちろん彼女が使っているサットナーも超一流品だが、かなりパワーが必要な楽器らしい。
こうなるとマーチンを持っていた人がローデンを弾いてみて、これも欲しいな、と思うある種病気みたいなものだ。
でもその病気がどんどん上達していく結果を産むこともあり得る。そうでない人もいるが、彼女の場合、機会があったらどんどんアプローチしていけばいいと思う。
赤嶺君がブズーキを持って現れた。もう長くアイルランドに住む人だ。しばし楽しい話しに華が咲く。とても熱心で一途なひとだ。
結局、彼と別れたのが12時半頃。ジョセフィンもイボンヌもほかのメンバーもすっかり帰った後まで赤嶺君と話し、またフィークルでの再会を約束して別れた。
7月29日 晴れ後雨
Doolinに行く時は何故かいつも雨が降っている。それでも出るころにはあがったので、ラッキー。
お昼すぎに目指すMcGanne’sというパブ兼B&Bに到着。テリーが8時過ぎに寄ってくれるので、まず腹ごしらえ。
このパブのシチューは美味しい。パスタも。アイルランドでも数少ない“美味しい”と言える所だ。
夜はO’Connorsというパブで、クリスティ・バリー、ジェイムス(ラストネイム訊き忘れた)とテリー、という去年と同じメンバーによるセッションに参加。
3人とも素晴らしいトラッド・ミュージシャンだ。
テリーはよくこう言う。「この世で本当のトラッド・アイリッシュをやる人間は数少ない。みんなすぐにかたちを変えたがる。今そこら中で聴かれるアイリッシュ・ミュージックは決して本物ではない」
そんな頑固な彼が、必ず僕等を呼んでくれると言うのは本当に嬉しい事だ。若い希花も、見せかけではない本物のアイリッシュ・ミュージックにどっぷりつかることができるのだ。
比較的早く、1時頃帰る。
7月30日 晴れたり雨だったり。
しかし、午前9時には晴れる。どうせまた降るかもしれない。晴れているうちに、テリーが薦めてくれたウォーキング・コースを歩いてみよう。
遠くにモハーの断崖が見渡せるパノラマのような風景をひたすら歩く。ゆったりした風を体に受け、彼らの音楽を生み出した全ての景色を見ながらのウォーキングは、本当にこの音楽が心の中に染みわたるような、そんな気がする。
1時間ほど歩き、少し休んでからまた同じメンバーでセッションだ。テリ-には本当に感謝している。
素晴らしい音楽を、体で感じることの大切さを、そして本当のトラッド・アイリッシュ・ミュージックを教えてくれる彼にまたフィークルで会う約束をして1時頃戻った。
明日からゴールウェイだ。