Irish Musicその43

Humours of Castlefin/The Templehouse   (reel)

★  Humours of Castlefin

“このセットはTony MacMahonとNoel Hillのアルバムで1曲目に入っていたもので長い間お気に入りだった。まだトニーがアンドリューの伯父さんだということを知らなかった頃からだ。今でも覚えている。彼がバーのカウンターでギネスを飲みながら「トニー・マクマホンのプレイはどう思う?」と訊いてきたので、僕はすかさず「ノエルとのアルバムで聴いている。素晴らしいプレイヤーだ」すると言葉少ないアンドリューがこう言った。「My Uncle you know」

後にトニーとツアーをするようになったのはアンドリューが彼に「ギタリストが必要だったらじゅんじに頼め」と推薦していたからだと知った。さすが親族だけあって性格もよく似ているし、どちらも超Aクラスのアコーディオン奏者だ。曲の方はEagan’sとも呼ばれているが、どのEaganだろう。彼等はダブルでやっているが踊りの為だろうか。普通はシングルみたいだ。でも僕等はダブルが気に入っている”

★  The Templehouse

“この2曲を演奏していると、本当にクレアーの景色が浮かんでくる。トニー、そしてノエルとの演奏、アンドリューとの日々、朝から晩までクレアーのリズムをアンドリューの家で体に入れていたこと。朝起きると咳が聞こえてきて、飲みに行くか、というお誘いがかかる、そんな日々が走馬灯のように浮かんでは、また消えていく。僕の大好きなセットを今、希花が弾いている。きっと彼女にはあの、辺り一面真っ暗な村に夜10時半過ぎると、ポッと灯りが灯るフランのパブが見えているだろう。あの傾いた狭いパブが。このようなトラッド・チューンがこの上なく好きなのだから困ってしまう”