2014年 アイルランドの旅〜季節はもう秋〜

7月29日(火)曇り

寒い。12〜3℃だろうか。

裏庭の鳥たちの中にもかなり慣れてきて、すぐそこまで来て餌を待っている奴もいる。

僕らがいない間、あるいは帰った後大丈夫か心配だ。

町を歩いていてショーン・ギャビンと出会った。一人でべらべらと嬉しそうにお話して行った。フランキーが帰ってきたら一緒にやろう、ということだった。

夜、パディ・キーナンとスカイプで話したが、いつもよりとても元気そうだった。8月28日にここ、ゴルウエイで僕と希花とパディの3人でコンサートをやることを決めた。マーチン・オコーナーも空いていればくるかもしれないし、フランキーにも声をかけてみよう。

 

7月30日(水)曇りのち晴れ、のち小雨、のち晴れ

朝起きたら、今日も鳥が待っていた。

あと1日で7月が終わる。正月のことは昨日のように覚えているのに、もう8月だ。えらいことです。

7時過ぎショーン・ギャビンから電話があった。9時50分に待ち合わせしてセッションをすることになった。

また、目一杯のギネスとお話とで、戻ったら多分2時くらいだろう。

えらいことです。

いい勘だった。2時15分。ギネスは想像通り目一杯出てきた。えらいことでした。

 

7月31日(木)曇りのち雨、後晴れ、のち曇り

やっぱりしんどい。今度はギネスを1杯で断ろう。

お昼からコーマックと会って、また仕事の話をした。

それ以外の用事は特にないので、ゆっくり休むことにする。いつ雨が降ってくるかわからない天気だし。

 

8月1日(金)晴れのち雨

今日はお昼にコーマックとダンサーのエマと4人、町で演奏と踊りの、いわゆるバスキングをすることにした。

彼らは教会でのコンサートの宣伝を兼ねて、道行く観光客を相手によくやっているのだが、今日は僕らもそれに一役買おう、ということだ。

エマ・サリバンは、日本公演の経験もあり、DVDも出している可憐なダンサーだ。

街角に力強い靴音が響く。

1時間ほどやって帰ってくると少し雨が落ちて来た。やっぱり晴れ男だ。

そうこうしていると、今お世話になっているこちらのレストラン「和カフェ」のオーナーから「誕生日のパーティーをやっているのでもしよかったらハッピー・バースデーを」という要望があった。

勿論オーケーだ。

なんでも16歳になる女の子の誕生日のお祝いらしい。

ドアーを開けて突然乱入。こういう時の白人の若い子たちの反応は実に素直だ。

ざっと見て10人ほどの着飾った女の子たちも、驚いた直後、一緒になって大きな声で歌いだす。

そして1曲“Lover’s Waltz”をやって、さっと引き上げた。これはこれで面白い経験だった。

さて、ちょっと前から気になっていたお向かいのパブに行ってみることにした。どうやら金曜日にセッションをやっているらしい。

入ってみるとベガのロング・ネック・バンジョーを抱えた人がいる。僕が「お、ピート・シーガーだ」と声をかけると、もうそれだけで仲間入りだ。

ここのセッションは歌も沢山歌う。それもいわゆるパブ・ソングではなく、比較的年齢層も高いので、フォーク・ソングや、カントリーが主体だ。

それでもバンジョーを抱えたおじさんの他に、テナー・バンジョーの10歳くらいの男の子と、アコーディオンを抱えた、その妹らしき子供たちが両親と一緒に来ている。

バンジョーのおじさんがアコーディオンに持ち替えてインスト・ナンバーを弾く。テナー・バンジョーの男の子はとても上手い。まだ始めてそんなに経っていないようだったが実にいいタイミングでいい音を出す。

一緒にデユーリング・バンジョーを弾くと、恥ずかしそうに喜んでいた。なんかいい感じだ。将来、良いバンジョー弾きになるだろう。

他にもギター抱えて歌を歌うおじさんが2人ほどいて、サイモンとガーファンクルの曲を歌ったり、それこそピート・シーガーを歌ったり、なかなかこれも良いセッション経験だった。

後で知ったが、彼らはみんな去年から僕らを見ていたらしい。他所のパブで、いつもあまりに人が多かったので声をかけられなかったけど、やっと会えた、と喜んでくれた。

ロング・ネック・バンジョーとアコーディオンのおじさんは、「アンドリューと一緒にやっていたか?君のことはよく知っている。彼は僕の先生だ」と言った。

ゴルウエイでも段々顔が売れて来た…ようだ。

季節はもう秋だ。