2014年 アイルランドの旅〜フィークル〜

8月7日(木)朝のうち雨、のち晴れ

今日からフィークル。久しぶりにアンドリューとの演奏だ。

今日、日本からの早野さんと古矢さん、というお二人がアイルランド音楽の旅の中間地点にフィークルを選んでいるので、レンタカーに便乗させていただくことにした。

さて、ここはフィークル。

すでによく知った顔ばかりで、次から次と挨拶しなければいけない人が現れて、八方美人になってしまう。

アンドリューに電話してみると、向こうの方から電話に答えながらやって来た。1年振りだ。

まだ時間があるのでブラブラしていると、パット・オコーナーがやっていたので30分だけ入らせていただいて、アンドリューとのセッションの場に戻った。

9時からの予定だったので、急いで戻ったが、例のごとく「10時くらいから始めるか」といいながらケタケタ笑っている。

お腹が空いた、と言ったらそこのテントの中になんでもあるから勝手に食べたらいい、と言う。

そこは特設ステージで、客席は100人ほどが収容できるようになっている。本当に食べ物、飲み物はフリーなのか知らないが、アンドリューもマーティン・ヘイズもデニス・カヒルも口を揃えて「タダだ」というので勝手に食べた。

こんなときでもお嬢さんは「虫なんかついてない?」と訊く。「文句言わずに食え」と腹ごしらえ。

確かにラフな食べ物ではあるが、これからに備えて腹ごしらえするには充分だ。ここで食べておかないと、他には何もない。

そこに、希花さんの長年のアイドル、マーク・ドネランを発見。僕は以前から顔見知りだったのだが、なかなか紹介する機会に恵まれなかった。

いつも人に囲まれて忙しそうな人なのだが、この際声を掛けてみよう、と思い切って声をかけてみたが、それもよかったのか後でアンドリューとのセッションに来る、と言ってくれた。

セッションの支度をしているとアンドリューが「希花が会いたがっていたからマークも呼んでおいたぞ」と言ってくれた。ダブルで声をかけたのだ。

果たしてセッションが始まってから30分ほどしてマークがやってきた。希花の横に座ってチューニングを始めた。

マークとアンドリューに挟まれ、おまけにマークのとなりには、アイリーン・オブライエンもいる。

しかも自身がセッション・ホストなのだ。このシチュエーションにはなかなかなれるもんではない。

それからのセッションはもう筆舌に尽くし難い。

とりあえず、今日はゴルウエイに戻るので1時過ぎに失礼させてもらった。

 

8月8日(金)雨のち快晴

今日は教会でブレンダンとのコンサート。パダー・オリアダと一緒だ。歌手のショーン・オ・シも一緒だった。

コンサートが終わるとブレンダンはCo.Mayo目がけて突っ走って行った。

 

8月9日(土)晴れのち、フィークルは大雨のち晴れ

今日からまたフィークル。今晩からはエニスに泊まる。

モロニーズというパブでジョセフィン・マーシュ&ミック・キンセラと待ち合わせ。

9時からということだが、今日は奥でシンギング・セッションが行われている。

予定では6時から9時まで。

シンギング・セッションというのは、自分の得意な歌や地元の歌を各人が数曲ずつ歌ってみんなで聴く、というものだ。

どんなに下手な人でも参加でき、また拍手をして「もう一曲どうぞ」というのが礼儀だ、とも聞く。

そして静かな雰囲気でなかなか終わらないのだ。

ジョセフィンもそんなことは承知なので、9時半頃現れて、まだやってるの?という感じだ。

9時45分頃。奥ではまだ誰かが歌っているが、さぁいきましょう、と突然アコーディオンを鳴らし始める。

彼女はとても人気があるので狭いパブの中は、今か今かと待ちこがれた聴き手と弾き手が素早く反応。全員ですっ飛ばす。もう完全にこっちのペースだ。

そして、3時間半ほどがあっと言う間に過ぎて行く。

戻ったら2時を回っていた。

 

 

8月10日(日)雨が降ったり晴れたり

朝、こちらに住む“フーさん”こと、赤嶺君と待ち合わせしてフィークルに向かう。

途中、日本からやってきた早野さんと古矢さんをアンドリューの住むタラに連れて行ってあげようという話になり、寄り道をする。

僕らにとっても今回初めてのタラ。

何も変わっていない。

アンドリューに電話をして「今、家の前にいる」と言うと、慌てた様子で「ま、待ってくれ。これからシャワーを浴びる」と言うので「心配ない。日本からの人を観光名所に連れてきただけだ」と言っておいた。

しばしブラブラしているとアンドリューが出てきた。訳がわからないままにカメラに収まってくれた。

それじゃまた後で、ということで僕らは一足先にフィークルに向かった。また雨だ。でもあっと言う間に晴れたかと思ったらまた降る。そんなことの繰り返しで、それでも結局あまり困るようなことはなかった。

今日は午後3時からなので早く帰れる。

セッションにはデニス・カヒルも現れ、初めてまともにツイン・ギターも楽しんだ。

アンドリューはやっぱり面白い。良いプレイヤーだし、何と言ってもクレアーの本物中の本物だ。

外にタバコを吸いに出たアンドリューがじいさんをひとり連れてきた。「歌ってくれ」というと、歳の頃は90も近いだろう彼が歌う。

もうこれにかなうものは世の中に存在しないだろう。日本でも地元のお年寄りが歌う民謡にかなうものはないだろう。同じだ。

そしてまたアンドリューが軽快に突っ走る。

早野、古矢組とエニスに戻ってしばし歓談。

彼女たちは明日ダブリンに戻って、その後日本に帰るそうだ。

全く余談だが、お二人のうちのお一人が、ぼくから見ると中井貴一によく似ているのだ。でも、少し前はアウン・サン・スーチーとも言われたそうだ。

そんなことを話しているうちに、スーチーさんはミャンマーの人だったね、ということになりミャンマーはビルマの竪琴だ、という話になり、素晴らしい法則が生まれたのでここで紹介しよう。

 

中井貴一=お二人のうちのおひとり=アウン・サン・スーチー=ミャンマー=ビルマの竪琴=中井貴一

出来過ぎじゃありませんか?

尚、お二人のうちのお一人、としたのは個人情報保護法からです。