コーマックから電話が入った。
急で悪いけど、教会で少しだけ演奏してくれ、と言う。(って言うじゃな〜い、って言う奴いたなぁ。)
こちらも特に用事はなく、ちょうどいいので即OKの返事をした。
なんでも今日演奏するロレイン・オブライエンがコンサーティナだし、自分もコンサーティナだから、少し違うスパイスが欲しいという事だ。
彼女はクレア・スタイルのとてもいい奏者だ。
今はドニゴールにいる、って言ってたかな。キュートなカーリーの金髪、それにかわいい声で喋る人懐っこい子だ。
まずコーマックがいつものように、アイリッシュ・トラッドについて、また、コンサーティナについての解説と演奏を20分ほど。
それから僕らが15分ほどやって、エマのダンスの伴奏をして1部終了。
2部では落ち着いたスタイルの、いかにもクレアーという響きのコンサーティナ・プレイがふんだんに楽しめた。
終わって後片付けをして外に出たら、3人の男女が歩いて来てそのうちの男一人が「ジュンジ!」と叫んだ。
誰だったかな。見た事があるような気がする。
相手も「俺、誰だか分かる?前はヒゲがなかったんだ」と言うので、彼の顔をじっと見た。
「あっ。コーマック。コーマック・ギャノン」「そうだよ。久しぶり。よくわかったなぁ」
彼はサン・フランシスコの“ギャスメン”という6〜7人編成のバンドでバウロンを叩いていた人だ。
屋根の修理を本職にしている人で、時々一緒に演奏もしたことがあるし、よく話もしたものだ。
実家がこちらにあるので夏には必ず帰ってきている、という。今まで会わなかったのが不思議だが、ここでバッタリ出会ったことも不思議だ。
それに、教会の後片付けもいつもより時間がかかり、済んでからも少しのあいだ立ち話をしていたので、そのタイミングで外に出た、というのも微妙なことだ。
彼らもパブで飲んでいて、出て来たら僕らを見つけた、という。
やっぱりここに来ると多くの再会がある。
ゴルウェイの様々な状況に感謝だ。