ギターを始めた頃、最初はクラシック・ギターだったので、当然ナイロン弦だったが、フォークギターを買ってからはどうしていたのか覚えていない。針金を代用したことは覚えているが、それはいつもというわけではない。
70年代に入って、マーチンギターを手に入れると、まぁその頃にはいろんな会社の弦が手に入ったのだが、最初はやっぱりマーチン弦だったと思う。
特にゲージに拘ることなくライト・ゲージを張っていた。
常に僕はフィンガー・ピッキングが多かったのでライト。省ちゃんはフラット・ピッキングが多かったのでミディアム。
マーチンの他にはダルコというのもあったし、ギルドの弦も使っていた。それが良かったからという覚えもないが、今のようにネットで買えるような時代でもなかったので、良く行く楽器屋さんからまとめ買いしていたのだろう。
アイリッシュをやるようになってからはずっとブルーグラス・ゲージを使っている。これは
1、2、3、がライト、4,5,6がミディアムというものだ。
以前、僕はギグごとに張り替えていた。それがどんなに小さなセッションでも。なので月に20セットくらい使っていたことになる。
そんなに簡単に切れるものではない、ということは百も承知だが、僕はギタリストとしてバンドのベース、リズムを一手に担っている。
もし、途中で切れたらどうしようもなくなる。これで飯を食っている以上そういうわけにいかない、という怖さからしょっちゅう変えていた。
しかし、困ったことに新品の弦より少し腐り気味くらいのほうが良い感触の音が得られるのも事実だ。僕はそれでも3つ目の仕事では必ず変えている。
今ではかなりロングライフの弦も出ているが、ロングライフの弦は値段も高い。怖いという感覚だけでそうそう変えるわけにはいかないので使っていない。
ともあれ、このブルーグラス・ゲージというものは低音の力強さが好きだ。ライト・ゲージでは出せない迫力が出るので今のところこれで決まり。因みにダダリオのブルーグラス・ゲージ、フォスファー・ブロンズの012-056というものだ。
6弦はDまで下げているし、056という太めの弦でガツンと弾いた方が音に深みが出る。
だが、これも好みだし、プレイヤーにとってもギターにとっても向き不向きがあるだろう。
因みに、DADGAD専用、というゲージもあるが、僕には不向きだった。1,2がミディアム程度の太さがあり、3,4,5が少し柔らかいのだ。慣れればどうってことないのかもしれないが。
究極、好みであることは確かだ。