2016年 アイルランドの旅 3

まだ生きています。

今日は、アイルランド対フランスのサッカーの試合をテレビで見て過ごした。普段サッカーなどには興味がないものの、一応建前でアイルランドの応援をしていたが2−1で負けてしまった。

天気も良くなったので、ちょっと買い物に出かけた。

川のほとりに鴨や白鳥が憩う最高のロケーションであった。

ところで忘れていたが、ソーセージはキアランも食べたが、彼曰く、味がやっぱり違うそうだ。

僕らにはあまり馴染みのないタイプのものだし、彼の意見のほうが正しいかもしれない。

ここで、じゃがいもとアップルパイに次いで、ソーセージの違いがわかる男が登場したわけだ。

おかげで残りのソーセージは敢えなく屑かご行きとなった。だから三人ともまだ生きているのかな。

夜になり、普通なら暗くなっている時間だが、まだ例によって明るい9時頃、町まで歩いて飲みに行く話がまとまり、外へ出た。

ここからはさくさく歩いて20分ほど。ちょうどいい距離だ。

なにもない「奥の細道」のような道路が唯一町へ出ることのできる比較的安全な道だが、結構せまい。車はこんな道を100キロほどのスピードで行き交うので、帰りのことも考え、ライトに光るジャケットを羽織って変な組み合わせの三人が一列になって歩く。

途中、道がさらに細くなるので、その区間は広い墓場を横切るのが通常の行き方らしい。

サマーズ家代々のお墓に挨拶して墓場を出ると、少しだけ歩道のある道が続く。

やぎの子供達が佇んでいる。普段はやぎのチーズの香りが漂ってくるらしいが、今日はあまり匂わない、ということで僕としては助かった。強い香りのするチーズは苦手なのだ。

しかし、やぎの子供達はかわいい。6〜7匹が一目散に駆け寄ってくる。何を言っているのかわからないが、メ〜メ〜言っている。

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しばし相手をしていたせいか30分ほどで町に到着。お昼はゲームがあったので、さぞにぎやかだったろうが、まだそれでも多くの人が飲んでいる。

小さい町だ。みんながキアランのことは知っているし、キアランも彼らのことは知っている。

あまり飲めない僕にとっては、こうして毎晩のように集まって飲む、という行為がわからないが、これは明らかにこの国の文化だ。

キアランのように、普段からあんまり酒、酒と言わない男でもあっという間に1〜2パイントは終わらせてしまう。そして決まり切ったセリフのように、もう一軒行こうなどと言う。

決して酔った勢いとか、もっと飲みたいから、とかいうのではなさそうだ。

それでも彼、明日の朝は早く出掛ける用事があるので早々と11時頃に二軒目の店を出て帰路に就いた。

西の空がまだほんのり明るい。やぎももう寝ているようだった。暗くなった墓場も広いせいかあまり怖くない。日本のお墓の方が怖いような気がするのは日本人だからだろうか。

この時間になると蛍光ジャケットは効力を発揮する。墓場を出てまたしばらく細い道を歩くと、やぎと遊んでいたわけでもないが足元がおぼつかなかったせいか、30分で家に着いた。

家に着いたら「ワイン飲むか?」というキアラン。どこまで強いんだろう。

一夜明けて朝8時。キアランがシャワーを浴びている。8時半に出ると言っていたのでほぼ時間通りだ。

この男はアイルランド人には珍しく時間に関する観念がしっかりしているようだ。

ちなみに6月27日、カーロー。素晴らしくいい天気だ。