2018年春 アイルランドの旅 22

寒くて少し雨が降っていて、冬に戻ったようだ。

また暖炉に火を入れる。

朝、ジョンが電話をかけてきた「僕のコート知らない?」

アイルランドの田舎町の朝はそんな風に始まる。

雨が降っているにも関わらず、隣の家の洗濯物が一日中裏庭ではためいている。

アイルランドの田舎町の一日はそんな風に暮れてゆく。

暖炉は一層炎を高く上げている。その炎を囲んでお茶を飲みながら語らう。

アイルランドの田舎町の夜はそんな風に更けてゆく。

近くのパブでパイントを飲む。周りは知った顔のおじさん、おばさんばかり。みんな時間も忘れて楽しそう。

アイルランドの田舎町の朝はまた、何も変わることなくやって来るのだろう。

そして誰かがパブにやってきてこう言うかもしれない「僕のコート知らない?」