Irish Musicその139

Dear Irish Boy   (Air)

何を書いたらいいのか分からないくらいに抒情的で、そしていい曲だ。

2018年のダブリン、ある夏の日に僕と希花とノエル・ヒルは一枚のCDに耳を傾けていた。それはWillie Clancyの古い録音で、彼はこういうものを何度も何度も子供の頃から聴いてきた、という話を聞きながら、そして美味しい紅茶を飲みながらの昼下がり。

話はやがてDear Irish Boyのことに及んでいき、僕らのアルバムでのパディの素晴らしい演奏のことも、そしてTony MacMahonのこれまた素晴らしい演奏のことにも触れ、じゃぁ最後にWille Clancyのものをもう一度聴いてみよう、ということになり、3人でじっと目を閉じて耳を傾けた。それは至高の瞬間だった。

そしてノエルが「ジュンジ、ギターでこれを弾け」と言ったことで僕も弾いてみることにした。決して難曲でも北極でもなく、ただひたすら奥の深い曲なのだ。

このような曲は生半可な気持ちでは弾けない難しさがある。