Irish Musicその154

Mr. O’Connor     (O’Carolan)

彼の作品集では113番目に位置する曲だが、果たして113番目の作曲かどうかは定かでない…と思う。

非常に難解(ホークス)な曲だ。

常識的に考えると理解に苦しむ譜割りだ。もしかしたら、間違えて弾いてしまった音がそのまま伝承されているのではないかと思うほどのいわゆる“字余り”的な…。

しかし、こういうものは古くからのチューンにはよくあることだ。

セットダンスなどはステップから来る余分な小節、というのがあるが。これはダンス曲ではないので、何かの間違いではないか、と思ってしまうのだ。

実に不思議な曲だが、こういうものが意外と癖になったりするから面白いものだ。

ジャッキー・デイリーとアレック・フィンのディ・ダナン時代の録音がとても美しいが、デイル・ラスのフィドルと、自身が弾くギターとの組み合わせもこれまた素晴らしいものがある。

気を抜くと混乱を招くようなこの曲。確かにジャッキー・デイリーの映像をみると余計なことは考えずに一点を見つめて弾いているように見えるが…?