衛生観念

昔から日本では「ハンカチ、ハナガミ持った?」と、特に子供たちはよく言われていたものだ。ハンケチという人もいたと思うが。

ハナガミって何?と云ったのは希花さん。そういえば今はほとんど死語かな。

以前、戦後に米兵と結婚してアメリカに渡った人が機械のことを全て「ミシン」と云っていた。米兵というのも今の人だったら「コメヒョウ」と読むかもしれない。

その人はカメラのことも「写真機」と云って若者に笑われていた。

いや、本題は「ハンカチ、ハナガミ」に象徴される衛生観念についてだ。

勿論「手洗い、うがい」もセットだった。

僕も戦後間もなくの生まれ。生まれた当初のことは覚えていないが、まだまだ不衛生な時代だったのだろう。ダニとかノミとかシラミなんて普通だった。

虫下しというのも何故か飲んだ覚えがあるが、チョコレートみたいな板状のものだった記憶がある。先日口にしたカカオ90%のチョコレートによく似た味だった。

ひまし油(Castor Oil)と云うのを知っている人は居るだろうか。よくアメリカの昔のホームドラマで子供が飲まされるやつ。万能薬として、現代でも存在するというから驚きだ。

隠語で「Castor Oil Artist」という云い方があるが「医者」のことだ。第一次大戦の頃から使われているらしい。

またまた話はそれたが、僕はつくづく「ハンカチ、ハナガミ、手洗い、うがい」に象徴されるように日本人の衛生観念はしっかりしていると思う。

おむすびを素手で握る、というのはいただけないが…そんなこと言えば寿司はどうなるんだ!と言われそうだが、寿司にはれっきとした寿司職人と云う職種がある。

勿論、おにぎり専門店というものもあろうが、おにぎりは普通の家庭で普通に作られるものだが、寿司はそんなに一般的に家庭で作ってお弁当に…なんて言うことも少ないだろう。

僕は、おにぎりには絶対にラップを使う。自分で食べる時も、ましてや他人に食べさせるものだったらなおさらだ。

ハンバーグですら、最終的に形を作る時以外は手で練ったりしない。餃子もそうだ。

アイルランドの知り合いが「まな板は洗わないほうがいろんなエキスがしみ込んでいい」なんて言っていた。

キアラン君みたいな清潔な人でも、さっきまで床を拭いていたタオルで、食器を拭いたりしている。

その床は靴のまま歩き回る床だ。

そう、究極そこに考えが及んでしまうのだが、日本人の清潔さはやはり靴を脱ぐ、というところに始まるのかもしれない。

あまり気にしすぎるのも良くないかもしれないし、適度に不衛生な事柄にも慣れておいた方が体は強くなるのかもしれないが、ここしばらくは一日何十回も手を洗った方が良いだろう。考え得る全てに神経を使った方がいいことは確かだ。