今度はミネアポリス

別に今に始まったことではない。

同じように信号機のないところで道を渡って、前にいた白人はそのまま行ってしまったのになんで俺だけ「罰金だ!」なんて言われるんだろう、と言っていたメキシコ人の友人がいた。もちろん理由は彼にも分かっている。

こんな、まぁ言えば小さいことはアメリカに居たら日常茶飯事。

去年の12月にふとしたことからロスアンゼルスの暴動のことをこのコラムで書いた。

当時(92年4月)あのロドニー・キングの事件が発端となった暴動だ。

あの時の彼による演説が素晴らしかったので良く覚えている。

彼はボロボロにされながらも生きていたので、彼自身が演説したが、今回は殺されてしまった人の弟による演説だった。

報道で見た人も多いだろうがまたまた感動してしまった。

我が国の首相の演説なんて「どうせまた嘘を平気で言うし、大したことも言えずに原稿を読むだけ」と思うと別に観なくてもいい、と思ってしまう。

夜のニュースでもう一回やるんだし「今度は本心から喋れよ」なんて、相撲の「今の勝負をもう一度」といったときに、ある爺さんが「今度は勝てよ」なんて言った話みたいなもので、結局はなにを言おうが気にも留めなくなってしまう。

それに引き換え、的確なことを、しかも自分の言葉で言うことが出来る、というのはやはり子供の頃からSpeak upという教育を受けているからだろう。

その分いらん主張も多いけど。

ここらで日本の政治家も嘘や逃避という呪縛から抜け出さないと…彼等には無理か。

ミネアポリスから始まった暴動は、今の時期いろんなことが重なっているので、収束させるのが難しそうだが、他の事と同様、早く収まってほしい。

ウイルスとの戦いも人類にはいろんな形で付いてまわるものなのかなと思うが、
人種的な問題にも終りとかいうものは無いのかもしれない、

と思うと 今だからこそ、ロドニー・キングのように、また、テレンス・フロイドのように人々の協調を訴える人たちが大切に思えてくる。