新 衛生観念

2020年に入って、この衛生観念ということを毎日のように考えさせられることになった。もう5月の最初の頃、すでに思うことを書いてみたが、やっぱり日本人の衛生観念と云うのは素晴らしいものがあるような気がしてならない。

最近、パン屋さんなどは全ての物をプラスティックバッグで包んでいる。それはたいへんな作業だと思うが、限りなく安心だ。

しかし、日本人のプラスティック使用量は世界的にも問題になっている。確かにちょっとやり過ぎくらいにラップされたものもあるし、僕らは残り物にはラップをして冷蔵庫にしまう。

そういう行為が行き過ぎだ、という欧米人は一杯いる。それも分かる。環境汚染につながっていることも分かる、が一方でその衛生観念が比較的感染を押さえている気もする。

昔、チャイナタウンの魚市場に買い物に行った時の事。

水槽で泳ぐナマズかなんかをおばちゃんが指さしながら中の店員に大声で何か言っている。普通に「これちょうだい」だろうが、とてもそんな風には聞こえない。

怒鳴っているようだし、店員も怒鳴り返しているようだ。やがて、一匹の魚を網ですくい、大きなこん棒を振りかざして「あいやー」とは言わなかったが思い切りたたいた。その途端、こちらにまでなにか飛んできた。しかし、誰も気にも留めていない。

毎日がそんな感じ。

アイルランドでもパンなどはマーケットで山積みになっているが、今はどうだろうか。ひとつひとつ袋に包んであったりするんだろうか。

日本人のプラスティックごみをけしからん、と言っていた人達だしひとつひとつプラスティックバッグに包むとは思えないが。

でも確かにこのワクチンができて、ことが収まってきたらそこは考えなくてはならないことのひとつだろう。

街では99%くらいの確率でみんなマスクを付けている。小さな布マスクは3日に一人見るか見ないかだが…。

とにかくその公共でのマナーというのは、いや、多分にみんなと一緒が落ち着く日本人気質はこんな時にはいい方向に向かっているとしか思わざるを得ない。

政府の連中は国民の苦労なんて全く分ろうとしないし、国民はそれぞれ工夫して良くやっていると思うと、いろんな国が日本のやり方ではなく、日本国民の暮らし方から学ぶことは多いのではないかと思う。

そして日本人も贅沢過ぎた暮らしのことを考え直し、世界は環境汚染について真剣に考えなければならない時に来ていると感じる。

温暖化は益々、地中に潜むウイルスを放出する可能性を拡げつつあるからだ。

なにはともあれ、変わらぬ衛生観念は持ち続けよう。