バンジョーは重い方が良いか

多くのバンジョー弾きは歳と共に後悔しているんじゃないかな。マンドリンにしておけばよかった、とか。

ま、それは冗談だけど、よくオーケストラの人達が歩いているのをみて、チェロの人の方が給料高いかなぁ、なんてくだらないことを考えてしまう。

バイオリンとかピッコロとかいいなぁ。ウッドベースなんかだと、もうあきらめがつくのかなぁ。

若い時には思わなかったそんなことが、最近はしみじみとそう感じるようになった。

さて、バンジョーの話だが、いちばん最初に手に入れたバンジョーはピアレス。もうよく覚えていないけど軽かったんだろうなぁ。

1964年から1965年くらいで、確か当時12000円くらいだったかな。この辺りは全くおぼろげな記憶を頼りにしているので、間違いもあるかもしれないが。

やがて大学に入ってカスガを買った。それはピアレスとは比べ物にならないくらいによくできていて、バンジョーらしい重さがあったので音もしっかりしていた。

確か4万円か4万5千円か、そのくらいだったと記憶している。

その後、ヴェガのスクラッグスを買った。更に少し重かったがそんなにちがいはなかったかな。でもアメリカの音がしていた…みたいだ。

それからはいろんなバンジョーを見たけど、フェンダーのアーティストは重いバンジョーだった。コンサート・トーンというモデルはあまり日本には無かったので知らないが、多分フェンダーのいい物は重かっただろう。

因みに僕はフェンダーのアーティストのテナーを持っている。ネックはヴェガのNo9をコンバートしているが、これなんかもケースから出すだけで腰が痛くなる。

安価な物は確かに軽かったような気がする。勿論、材質が違うのだろうからそれは音に影響するのは当たり前田のクラッカー。ありゃ、結論が出てしまった。

取りあえず先に進んでみよう。

ステーリングのバンジョーもやたらと重かった。そしてやっぱりいい音がしていた。

進藤君が持っていたインペリアル、と云うのはいままで持ってみたバンジョーの中でも曙か小錦クラスだ。音も間違いない。

僕が使っていたグレートレイクスもそこそこ重たいバンジョーだった。

一時、ギブソンが少し軽いバンジョーを作っていた時代があったが、まだあれは作っているのだろうか。小野田博士にでも訊いたら教えてくれるかもしれない。80年代後半だったかな。少しだけ手が出そうになったがやはり軽い分、音も軽かった記憶がある。

そうしてみるとオープンバックでも少し重たい目のバンジョーの方が音に芯があると感じる。

しかし、今僕が家弾きとして愛用しているディーリングのアメリカーナと云うバンジョーはめっちゃ軽いのにいい音がしている。

これはポットが12インチということもあるかもしれないが、スタジオミュージシャンとして名の通った西海君が随分前に11インチを使っていた時も、いい音がするなぁ、と思ったものだ。

ま、彼なんかはいい音の出し方を良く知っているのだろうけど。

ここ最近ではこのディーリングという会社は結構いいバンジョーを作っていると思う。

但し、デザイン的にはもうひとひねり欲しいな、と思うが、値段が悪くない。

安いものは本当に安いけどいい音がする。普通に高価なものもあるが、どれをとってもいい音だ。安定している。

そしてリゾネーター付きバンジョーでも他社に比べると重さはそうでもない。

僕が今使っているギブソンTB-4のコンバージョンは、もしかしたら元々重かったかもしれないけど

1926年ということなので、木の部分が枯れてきて少し軽くなっているのかもしれない。

音の好みとかいうのはまた別として、やっぱり重たいバンジョーの方が音もずっしりとしていて芯がしっかりしているようだ。

でもマンドリンにしておけば気軽に持って歩けたなぁ。