坂庭君秘話 2

先日、テレビを観ていたら、お寺でテレワーク、その名も「テラワーク」というのを取材していた。

それでいろいろ思っているうちに想い出したことがある。

坂庭君の家におばあちゃんが居て、いくつくらいだったろうか。

僕等が大学生なので、ひょっとすると今の僕等とあまり変わらないくらい?

その時でほとんど寝たきりだったのかな。なので、もうちょっといっていたかも。

いつのことかは覚えていないが、そのおばあちゃんが亡くなって、坂庭家で法事があった時のこと。

彼曰く「なぁじゅんじ、聞いてくれっか。坊主が家に来たんやけど、なんやしらんテープレコーダー持って来とんねん。ほいで、おもむろに座ってやなぁ、カチッとスイッチ入れとんねん。お経や。お経が流れてきたんや。味も素っ気もあらへん。ありゃないわ」

テラワークを見ていてリモートお経とか考えていたらこんなことを想い出してしまった。

そのおばあちゃんで凄くよく覚えている話がひとつだけある。

これも彼曰く「なぁじゅんじ、聞いてくれっか。このあいだおばあちゃんの部屋に入ったら急に「省悟、あんたのうしろ、天井の上から舌のなが~い人がこっち見とるわ」わしゃぁおしっこ漏らしそうになったでぇ。ほんまやろうか」

彼の家系は結構ユーモアに優れているところがあったので、ちょっと孫を脅かしたろみたいなことだったのかもしれないが、その話を聞いてから僕もおばあちゃんの部屋をのぞくのをやめた。って、そんなにおばあちゃんとは顔を合わせなかったが。

僕等が「ちよちゃん」と呼んでいた彼のお母さんにも随分お世話になった。

以前書いたが、白玉が大好きな僕と坂庭君が夜中、僕のアパートで急に白玉が食べたくなって、ちょうど買い置きした白玉粉を見つけ…夜中と言っても12時近かったかな?家に電話して、ちよちゃんに「白玉ってどうやって作るの?」って訊いたら丁寧に教えてくれたなぁ。もう寝ていたんだろうに。

彼の家でジグソーパズルをしていた時の話。

かなりたくさんのピースがある結構大型のものだったが、そう、上級者向けだったんだろう。

二人で3時間くらい試行錯誤してやっと3分の1くらい出来ただろうか。

疲れたからお茶でも飲みに行こう(こういう時の合図は「あーちゃみーの行こか」だ。或いは「ちゃーしばきに行こけ」だ)ということになり、そのまま出かけて40分ほどで戻ってきたら、ちよちゃんが「省悟、部屋掃除しといたで。なんでもかんでも出しっぱなしにしといたらあかんで。せっかく純二さんも来てくれはってんねから」

二人で呆然としているのを見たちよちゃんが「あんたらどうしたん?」

なかなか良い想い出だ。