Touching Wood 追加ライナー

CDに付けるライナーでは書き切れなかったことをここで紹介しておきます。

Midnight on the Waterは古いフィドルチューンです。一般的にはBenny Thomassonの作ではないかと云われていますが、世に発表したのが彼で、彼の父親であるLuke Thomassonが本来の作者だという事です。更に彼らの家族がポーチで演奏していた中でOld Paintという曲があってそれを基にして作られた曲という説もあります。どちらにせよ1900年の頃の話です。Grey Owlはとても美しいメロディのフレンチカナディアン・チューン。

希花 フィドル、

純二 ギター、マンドリン、ベース

Plearaca Erica NewmanはDale Russのペンになる曲。5~6年前に彼が「こんな曲を書いた」と云って僕の部屋で演奏してくれました。その時、手元にオクターブ・マンドリンが有ったのでそれで伴奏をしてみました。そんな経緯もあり、今回もオクターブ・マンドリンを使用してみました。2曲目はJunior Crehanの曲。別名Luchrachanといいますが、この2曲をメドレーにすることをDaleに伝えると、彼も「お、いいね。同じことをやってみようかな」と云っていました。

希花 フィドル

純二 オクターブ・マンドリン、ギター

An Paistin Fionnこの曲は、多くのバージョンがあり、それぞれかなりメロディが違うので明らかに別な曲だと思われます。僕は最初、Gearoid O hAllmhrainのCD リリースコンサートで学びました。その時のメンバーは僕とコンサーティナ奏者の彼、そしてフィドルがMartin Hayesでした。ずっと頭の中にありましたが、最近またNiamh Parsonsの唄で聴いてギターで弾き始めたものです。意味としてはThe Fair haired childともThe Fair Childrenとも訳されています。そのまま有名なリールWise Maidをフィンガースタイルのギターで弾いてみました。

純二 ギター

Strayaway ChildはおそらくBothy Bandの演奏が最も有名なものの一つかも知れません。長い間、最も好きな曲のひとつだったこの曲はMichael Gorman作と云われますが定かではありません。彼と関係が深かったMargaret Barryだという説もあります。Gormanが書き、Margaretに権利を譲った、という説もあるようです。官能的ともいえる美しいメロディの6パートジグ。

希花 フィドル

純二 ギター

MacLeod’s FarewellはLunasaがWedding Reelというタイトルで演奏して有名になった曲。彼らはDで演奏していますがオリジナルはEです。書いたのはCapercaillieのDonald Shaw、 Eでこの曲をフィドルで弾くのはかなり難しいと思います。Sitting on the Throneは高名なフィドラーJames Kellyの作品。Ring SessionsというアルバムでギタリストのZan McLeordとの素晴らしいデュオを聴かせてくれました。その中の1曲です。3曲目はPhil Cunninghamの作品。かなりキャッチ―な曲ですが、あまりポピュラーではありません。僕はTipsy Houseに加入した当初に習ったものですが、それからセッションで聴いたのはBrian McGrath とAlan Kellyそして僕、という面子でやった時だけです。

希花 フィドル

純二 ギター

Windy and Warmはもう説明不要Doc Watsonの名曲です。僕はここで1899年の0-21を使用してみました。いつものLowdenとの音の違いを聴いてください。

純二 ギター

Limestone Rock / Humours of Loughreaこのセットはブルーグラスを意識したものになっております。フィドル&バンジョーというのはフラット&スクラッグスの1962年ライブ盤の時からどうしても取り入れたいものでした。ここでは2曲目にギターを入れていますが、レスター・フラットの「昔は夕暮れ時に農作業を終えて、フィドルとバンジョーさえあれば、ポーチに座ってこんな風に楽しんだものだ」というようなMCが印象的だったのです。因みにそこで演奏されたものはStony PointアイルランドではPig Town Flingという同一曲があります。

希花 フィドル

純二 ギター、バンジョー

Beautiful Lake AislinはTim Edeyのギター演奏から覚えた曲で作者はElmer Briandというケイプブレットン・フィドラー。とても美しい曲で今回のアルバムには絶対に入れたかったものです。続く2曲はFisherman’s Wedding / Lady Harriet Hopeというスコットランドの曲。これはAlasdair FraserとJody Stecherのアルバムから学んだものです。

希花 フィドル

純二 ギター

Cuckoo’s Nestはアイルランドではホーンパイプとして有名な曲です。しかし、この曲を覚えたのは遥か昔、ブルーグラスからでした。通常ホーンパイプと云うものはゆっくり目に弾んだリズムで演奏されるのですがブルーグラスではブレイクダウンと大差ないスピードで演奏されることも良くあります。この曲はそれほどでもありませんが、パートがアイリッシュバージョンではひとつ多いのです。アイリッシュの3パート目に近いメロディが1パート目に2パート目が同じメロディで、それで終わり、と云うのがブルーグラスバージョン。アイリッシュでは1パート目にブルーグラスには無いメロディが来ます。

希花 フィドル、マンドリン

純二 ギター、バンジョー

Martin Wynne’s #2は、これもBothy Bandで有名な曲だろう。又はFrankie GavinのAlec Finn とのバイブルともいえる77年のアルバムでも1曲目から強烈な演奏で聴くことが出来ます。Killavil FancyはFarewell Reelとも呼ばれるものですが、以前、こんな話を聞いたことがあります。「貧しかった昔のアイルランドでは、生まれてきた赤ん坊が1ヶ月ほどで亡くなってしまい、その子を棺桶に入れて川に流した。それで10パウンドくらいの物(約4.5㎏)が川を流れていくという曲なんだ」なんとも悲しい話ですが、実際にこの曲の解説として別なところでみた事も聞いたことも無い。もしかしたら都市伝説みたいなものかもしれないが、確かにAngela’s Ashなんていう映画を観るとありそうな話かもしれないと感じます。

希花 フィドル、コンサーティナ、ビオラ

純二 ギター

Lonesome EyesはJerry Holland作の美しくも悲しいメロディのスローエアー。2009年に54歳の若さで亡くなってしまいましたが、本当に素晴らしいケイプブレットン・フィドラーでした。僕らの大好きなこの曲。いつかは録音しようと思っていた曲です。

希花 フィドル

純二 ギター

When it’s moonlight in Mayoは有名な古いワルツです。特に今回の録音リストには無かったものですが、何となく二人ともよく知ったメロディだったので演奏してみたところ、なかなか可愛いな、という話になり、アルバムの最後にしてみました。僕はこの曲をアンドリュー・マクナマラと何回か演奏したことがあります。また、多分フィークルのフェスでは、アイリーン・オブライエンが歌い、観客が合唱する、といったシーンもあったはずです。しかし、それはもしかしたら同系列の曲、例えば、A Mother’s Love a Blessingというとてもよく似た曲かもしれません。とに角この感じのワルツはアイルランド人のほとんどが知っている曲かと思われます。僕らはイントロやエンディングを含め、Bridie Gallagherの唄からヒントを得て演奏しています。1924年にCo.Donegalで生まれ2012 年にBelfastで亡くなった女性歌手で、一般的にThe Girl from Donegalとも呼ばれて親しまれている人です。

希花 フィドル

純二 ギター、バンジョー、マンドリン、ベース

ボーナストラックもついていますが、曲目としてクレジットされていません。聴いてからのお楽しみ。

純二 バンジョー