アイルランドの旅から振り返る10年  #6

2016年、この年から滞在先がカウンティ・カーロ―に変わった。

イミグレイションで「カーロ―に行く」と言うと「Why Carlow?」という決まり文句が飛び出すくらいの処だ。

いや、イミグレイションだけではない。アイルランド人の全てが発する言葉、と言っても過言ではない。さしずめ「なぜ埼玉?」…かな?

キアラン・サマーズの家。周りは緑、そしてまた緑。

朝起きて庭を見るとウサギが数匹ピョンピョン跳ねている。かと思えば、突然キツネが現れてちょこんと座っている。

それよりも前にどこかのニワトリがコケコッコ―、牛がモー、羊がバー。

なんとのどかな環境だ。

ここからいろんなところに出掛けて行った。

ミルタウン・マルベイでは久しぶりにトニー・マクマホンに出会った。もう演奏は出来ない、と語っていた彼に「いつまでも胸の中に残っているよ」と伝えた。

永六輔さんの訃報を聞いたのはこの年だった。

フィークルではアルバム「Through the Wood」のCDラウンチをやらせていただいた。

そしてこの年8月9日から初めてブリタニ―を訪れた。

また、セッションなるものを覗いてみたり、ましてやバスキングの様な事を全くやらなくなったのもこの年くらいからかな。