2022年 アイルランドの旅 35

今日は珍しい人と立ち話をした。

僕がゴールウエイに頻繁に来るようになったのは2011年から。

その頃からパブ「チコリ」の前で毎日のように見かけるおじさん。

どこか、ダブリナーズのルーク・ケリーのような風貌でいつも同じところに立っていた。

一度だけ「あんたルーク・ケリーかと思ったよ」と話しかけたことがあったが、それも7~8年前かな。

そのおじさんが今日は正面から歩いてきた。

とても細い道だったので、お互い顔を合わせて何気なしに立ち止まって会話が始まった。

驚いたことにおじさん、僕よりも4歳若かった。

カーリーのかなり少ない白髪、真っ白なモジャモジャの髭。赤ら顔の、でもよくみると酔いどれおじさんではない。

それに、何かユニホームみたいなのを着て、道路に落ちたゴミを集めていた。ボランティアではなくれっきとした仕事のようだ。

70まで働いた方が年金がいいはずだ、と言いながら。

また、早くに仕事を終えるのもいいけど、せいぜい最初の1年は楽しく暮らせても、2年目からは何もやることがなくなって、3年目からはまた飲み始めて人生終わるかも知れないので、出来るだけ長く働きたい、と言っていた。

今までただの暇な飲んだくれかと思っていたが、とてもしっかり話をする人で少々驚いた。

とてもわかりやすい英語を話す人で、こういう人は外国人と話をするのが慣れている、とか、そこそこ学のある人という印象だ。

しまった。名前を訊き忘れた。

ま、どうせまた明日会うかも知れない。いや、今夜かも。