2022年 アイルランドの旅 56

ゴールウェイに戻る朝、またしてもエニスの駅に素晴らしい虹がかかった。

かなり寒い。小雨というか雫が風に吹かれて飛んでくるような、それでいて時折青空が出る絶好の虹日和だ。

それにしても風が強い。

ここに来て始めてくらいの風の強さだ。

ゴールウェイについてからもそれは変わりなく、さらに凍えるほどの寒さだ。

少し買い物をしなくちゃ、と思い、街へ出た。

ここは観光客が多く、通称、ショップストリートと呼ばれるところはいつでも人がいっぱいだ。

みんなすごく寒そうにしている。

そんな中、正面から見たことがあるような顔が歩いてきた。

すれ違いながら、エンダ・スカヒルじゃないかな?という疑問が湧いたが、いや、よくいる顔でもあるかな?という思いで通り過ぎた。

20分ほどで買い物を済ませて歩いていると、さっきの男がクロワッサンか何かを食べながら歩いてくる。

今度は人通りも少なかったので、思い切って声をかけてみた。

「もし間違っていたら申し訳ないけど、エンダ・スカヒル?」すると彼は「Yes,I am」と言った。

やっぱりそうだった。

彼とは2001年か2年か、ロングフォードのバンジョーフェスティバルで出会っているが、確かその時ぐらいがWe Banjo 3の初お目見えくらいだったかも知れない。

そしてその時はアリソン・ブラウンやピート・ワーニック、ビル・キースなど、錚々たるブルーグラス・バンジョープレイヤー達と一緒だったので、ほとんど話はしていなかった。

彼はまたマナス・マグワイアーとも組んでやっていたこともあるし、向こうも「そうか。マナスも長いこと会っていないからよろしく伝えてくれ」と言って

去っていった。

エンダ・スカヒル。素晴らしいバンジョー弾きで、なかなかの好青年だ。